「第6回東京宝島会議」開催!

2021年2月18日(木)、「第6回 東京宝島会議(オンラインミーティング)」が開催されました。この会議は、東京の島全11島におけるブランド化に向けた取組状況の共有と、新しいビジネスの視点や知見・気付きの共有により、アイデアのブラッシュアップを図ることを目的に開催されているものです。

今回は、2020年11月に開催された第5回と同様、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、東京本土の会場と各島を繋げたオンライン配信で行われました。その模様をレポートします。

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各島がこれまでの取組と今後の展開を発表

まずは各島による発表が順次行われました。
1島目は、新島です。「新しい、でつながる島」をコンセプトに掲げ、島全体に点在する魅力をつなぎ、案内するための物理的な移動手段と体験プログラムの提供を始めています。具体的には、新たな移動手段として「ベロタクシー」を試験的に導入。「ベロタクシーで巡る新島ツアー」も設計して「TABICA」に登録し、すでに公開しています。さらに、こうした取組を島内外に周知するため、「にいじま宝島新聞Vol.2」の全戸配布や「東京宝島新島チーム」によるSNSを使った情報発信を行っています。

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発表者の西胤さん:
「まず、安定的にこの体験プログラムを回していくためにドライバーの担い手を発掘し、島の人たちに実際にベロタクシーを体験してもらうために4月には試乗会の開催も考えています。また、今後は、地域の人たちからのニーズがあれば、島の困りごとや課題の解決に、チームとして積極的に関わったり、東京宝島として共通の宝である『海』の環境問題に11の島々で連携して取り組んでいけるような具体的な活動を提案したりしていきたいと考えています」

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2島目の利島は「恵みを満喫、幸6000年の里島」がコンセプト。観光客の受け入れキャパシティが大きくない、利島の存在を知っている人が少ないという課題を踏まえて、利島の魅力をアピールするために、島の代表的な素材を使ったオリジナル特産品の開発に取り組んでいます。「利島の人にも愛され、自慢できる商品」を目指し、島民から商品アイデアを募集。専門家の協力のもと試作・試食を重ね、ふるさとワーキングホリデーで訪島している方々の意見も取り入れながら、商品レシピを決定しました。さらに製造管理の専門家を招いて製造工程の実施講習を行い、製造マニュアルを作成するなど、美味しく安全安心な品質を確保するための体制も構築しています。

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発表者の長谷川さん
「今後は、できた試作品を島内でお披露目して島内周知を図ると同時に、ネーミングやパッケージデザインなどに関する意見募集を行って、商品完成につなげていく予定です。第2、第3の商品開発の仕込みもやっていかなくてはいけません。そもそもこの商品を作ろうと考えたきっかけは、利島の知名度向上には島の事情を考えると島外に拠点を持ったほうがいいが、そのためには商品がいるということだったので、もう一回そこに立ち返って、できた商品を使ってどうしていくかということを考えていきたいと思っています」

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3島目は、「ありのままにいのちが輝く、別世界を生きる島」がコンセプトの父島です。島と観光客をつなぐコミュニケーションツール「おがさわらトラベラーズログ(おがログ)」の制作と、父島の未来を考える場「父島みらい会議」という2つの取組を進めています。
まず、「おがログ」は2020年末にノートのサンプルが完成し、2021年1月中旬からクラウドファンディングを使ってPR・販売を行っています。2月には「一般社団法人おがログ」を設立しました。
また、「父島みらい会議」については、2020年9月から2021年1月までに5回の会議を実施し、「経済主義から生活主義へ」「父島のスタイルの実現」といったキーワードを見出しました。

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発表者の菅生さん
「おがログはクラウドファンディングにて資金調達を実施中で、現在追い込みをかけています。おがログと一緒に小笠原の特産品をリターン品としてセットにするなど、同時に協賛事業者も増やしている最中です。父島みらい会議では、父島スタイルのミッションとして、島内消費を上げる、文化を伝える、島内周知を行い、メンバーを増やしていくことを掲げています。先日の会議では野菜廃棄問題について話し合いました。今後も着実に進めていきたいと思っています」

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4島目の御蔵島は、「全てが特別になる、あなたを宝物にする島」がコンセプト。島ならではの特別感を感じられる体験コンテンツの提供を目指しており、冬に御蔵島でとれる柑橘類「かぶつ」(ダイダイ)の魅力を発掘しながら、「冬の御蔵島おすそわけプロジェクト」を実施しています。このプロジェクトでは、SNS等で「かぶつ」の体験モニターを募集し、その友人知人にもおすそわけしてもらってファンが広がる仕組みを作りました。同時に、代々木上原の銭湯「BathHaus」や新宿のBEAMS JAPAN「東京宝島商店」とのタイアップ企画も実施しています。

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発表者の山田さん
「『かぶつ』や『かぶつこしょう』の新しい使い方・レシピを募集しており、それをもとにレシピ集を作り、宿や食堂などで活用できたらと考えています。先のタイアップ企画のようなものは我々だけではなかなか出てこないアイデアであり、今後も事務局ともうまく連携しながら、取組を進めていきたいと思っています」

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5島目の大島は、「『ちょうどいい』がみつかる、行きつけになれる島」をコンセプトに掲げ、今年度は「アンコさん」を軸とした体験・サービスの開発と情報発信に取り組んでいます。「元町をアンコさんのまちに」と題して元町エリアを取組の起点とし、①アンコさん冊子とアンコさん特集webページの制作②気軽にアンコさんに触れるグルメ企画③島内での仲間づくり、という3つのアクションプランを進めています。

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発表者の千葉さん
「冊子とWebサイトでアンコさんにちなんだ色々な活動や取組を広く発信し、多くの人に知っていただきたい。そこから実際に色々なところへ落とし込んでいきたいと考えています。日本ジオパークの活動を進めていく中で、伊豆大島ジオパークとも連携して広くまちに浸透した活動にできればいいなというのと、子どもたちにアンコさんがいた時代のこと、貴重な文化を知ってもらえるように、地域教育にも力を入れていきたいです」

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6島目の青ヶ島は、「自力に目覚める、絶海絶景の島」がコンセプト。独自の環境によって育まれた自然、暮らし、人と人との関係性など島らしさを大切にし、楽しむ心を持ったコアな青ヶ島ファンとの関係性の構築を目指し検討を進めてきました。現在はコロナ禍で来島者と直接コミュニケーションがとりづらい中、 青ヶ島の魅力や島民のライフスタイル・価値観を共有するためのリーフレットを制作しています。来島者が自ら島内を歩き、探し、楽しむためのヒントを与えられるようなリーフレットを目指しています。

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発表者の荒井さん
「来島者との関係性が築ける場所づくり、ドローン空撮のルール作りなどを進めていたところに、今回のコロナ禍で、島外の人と、また島内においてもコミュニケーションが取れない状況になりました。そんな中、既存のマップに補完する形で島の目線で突っ込んだ部分を描いたリーフレットを渡すことで、何とかコミュニケーションが図れないかなと動き出しているところです」

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7島目は、神津島です。「当たり前の奇跡に気づく、豊かな水と生きる島」をコンセプトに、島の宝である水の魅力を伝え、守り、活用していくことで、島のブランド価値を高める取組を考えてきました。2020年度は在日外国人をメインターゲットに設定し、神津島の水の素晴らしさを伝えていくために、①水や漁業の価値や魅力を伝えられるよう言語化し、ブランドストーリーを作成する②水や漁業の体験プランを検討する③それらを英語のウェブサイトを通じて情報発信する、という3つのアクションに取り組んでいます。

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発表者の中村さん
「外国人向けの英語のウェブサイトは今年度中に公開を予定しており、公開後も随時アップデートを予定しています。案内だけでなく、今後はウェブサイトから直接予約ができるようなシステムも作るべくして妥協なしに進めているところです。ブランドストーリーの作成と体験プランの検討については、水のチームと漁業のチームの2チームに分かれて進めています」

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8島目は、母島です。「みんなが『らしく』暮らせる、母なる島」をコンセプトに、母島のファンを増やすことを目指し、母島の未来について話し合う「場」づくりに取り組んでいます。具体的には母島以外の参加者も交えて「母島部活堂」と名付けたオンライン座談会を毎月開催しています。さらに、子どもたちに母島らしい遊びを体験してもらうきっかけとして「母島遊び」を企画し、2020年8月にはタコ捕り体験を試行的に実施しました。

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発表者の宮城さん
「母島部活堂のホームページを開設しました。コロナ禍なのでオンライン主軸にはなりますが、小規模ながら会って話せる場を作ったり、先ほどのタコ捕りなど体験も行ったりしたいです。なかなかオンラインで繋がれない人のためには『母島部活堂新聞』を2~3月頃から発行してPRしていく予定です。母島のメンバーだけで話すのではなく、外の人の客観的な目線を通して気付かされる部分もあるので、外の人と繋がりながらやっていくことに意味を感じているところです」

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9島目の八丈島のコンセプトは「自分の色を取り戻す、七色の魅力に輝く島」。島の人に出会い、新しい旅の楽しみ方を見つける仕掛けづくりに取り組んでいます。
八丈島の人や場所の物語を集めそれを発信するために、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のそれぞれの場面で島の魅力を発信するためのツールの作成を進めています。そのひとつとして、島の人35名をアーカイブしたインスタグラム「七色八丈図鑑」を立ち上げました。また、来島のきっかけづくりとなるオリジナル写真集の制作や、島内の周遊を促しリピーターになってもらうための仕組み作りも検討しています。

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発表者の山下さん
「八丈島の魅力である『人』をPRしようと立ち上げたこのインスタグラムを手始めに、島の人たちがチームとなりフォロワーを巻き込んで、みんなで八丈島を盛り上げていこうという流れがいま進んでいます。今後は、八丈島で育ち巣立っていった人たちもすべて巻き込んで、人のつながりを生かしたPRツールとして、このインスタグラムを発展させていきたいと考えています」

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10島目は式根島。古き良き日本の島の原風景と、仕事と遊びを両立させる新しい働き方「ワーケーション」が融合する式根島式ライフスタイルの発信に取り組んでいます。
有志で一般社団法人式根島エリアマネジメントを設立し、ワーケーションを通じてローカルヒーロー(関係人口)を増やしていく取組として「Coworkationプロジェクト」をスタート。今年度は「式根島アカデミー」を全3回のプログラムで実施しました。第1回はオンラインで式根島と参加者の交流会、第2回では二泊三日のワーケーションモニターツアーを実施、第3回では第2回までを振り返り、式根島でのワーケーションの魅力や課題について意見交換を行いました。

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発表者の下井さん
「モニターツアーを開催した中で課題も出てきて、運営体制も含めて今検討しています。1つ目は受け入れ環境の整備、2つ目は情報発信、そして3つ目はワーク拠点の運営体制の整備です。式根島は人が全然足りていない、人をつなげて関係人口を増やしたいが住居が足りないため、移住したくても住むところがないという悪循環になっています。その解決策として民間の賃貸プロジェクトという意見も出ています」

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11島目は、三宅島です。「五感を呼び覚ます、火山とともに過ごす島」をコンセプトに、島の宝である「火山」を来島者自ら歩き、学び、食す体験をしてもらうための取組を進めています。1つ目は火山の魅力を自ら捜し歩くことができるデジタル観光ツアーアプリ「スポットツアー」の導入。2つ目は、島内で撮影した写真を思い出として持ち帰るための写真プリント機器「三宅島プリントステーション」の設置です。
今後は、「スポットツアー」は外部の視点を取り入れて火山をテーマにしたツアーの磨き上げと島内外への利用促進を見据えた情報発信に取り組んでいく予定です。また「三宅島プリントステーション」はオリジナルフォトフレームを作成するなど、リピーター獲得に向けて仕組みを検討していきます。

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各島の発表後には、自身の島で活かせることはないか、11島で連携できることはないかなど、参加者による意見交換が積極的に行われました。

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11島のさらなる連携で、「行きたい!」につながる情報発信を

全11島による発表の後は、東京宝島事業の魅力を体験できる企画として、「Islands Market」と「東京宝島商店at BEAMS JAPAN」の2つが紹介されました。
「Islands Market」は、コロナ禍で島を訪問できない中でも、日本の離島のものづくりの担い手とオンライン上で交流できるイベントです。
「東京宝島商店at BEAMS JAPAN」は、東京宝島11島のライフスタイルと特産品の魅力を紹介するポップアップショップです。

そして最後に、東京宝島推進委員会委員の方々よりコメントがありました。

大洞達夫委員
「この困難にもめげず、ここまで力強く工夫を凝らして前進させているところに大変感動しました。宝島のブランド力を高めるには、島それぞれの活動に加えて、宝島全体としてここに維持すべき素晴らしい文化と自然があるんだということを共通のメッセージとして訴えていくことも必要なのではないかと強く感じています。」

楓千里委員
「3年間この宝島を進めてきて、メンバーの皆さん同士のネットワークがここまで素晴らしく醸成されているところに感激しましたし、皆さん同士がリスペクトしあっている姿というのがこの宝島会議の宝物になっていると強く感じました。昨年12月に神津島にお伺いしましたが、星空保護区という取組はもしかしたら東京宝島11のすべての島でも取り組めるのではないか、島で見られる東京の星空というものをうまく推進していけるといいのではという印象を持っています。」

アレックス・カー委員
「皆さんの発表を面白く聞かせていただきました。いろいろな事業を進めていますね。2019年の秋に青ヶ島を訪れ、去年はコロナ禍で時間がありましたので『ニッポン巡礼』という隠れ里めぐりの本を書きあげました。青ヶ島は私にとって思い出の島となりましたし、例えば今日も新島のエコの話も出ましたし、これからもっとゆっくり見て回りたいと思います。」

山田敦郎委員長
「皆さんのお話が本当に素晴らしく、ああ、行きたいと思いました。自然などももちろん宝ですが、やはり一番の宝は『人』だということを、今日のお話を聞いて強く感じました。11の島々の連携がここまで進んでいることにも感動しました。島の中の連携・巻き込み、それから11の島の連携、さらには外の方とも連携してつながりを広げ、コロナで大変な時期ではありますが、行きたいと思わせるような情報発信をしていただきたい。ぜひ皆さんが持っている内なるパワーを連携によってさらに膨らませ、東京にこういう島があって本当によかったと喜ばれるような体験を提供していっていただきたいと思います。」

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