第3回御蔵島島会議 開催レポート

幹周り5m以上はある御蔵島の森の巨木

東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し、磨き上げることで、島のブランド化を目指す「島会議」を行っています。10月3日に開催された御蔵島の第3回島会議の模様をレポートします。

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3つのテーマで御蔵島のアクションアイデアを検討

第3回島会議では、前回までの会議で意見がまとまった「『特別感』を感じてもらえる体験を提供する」というコンセプトと、既存の来島者と、これから新たにアプローチしていきたい20〜40代の「感度が高く、自分のスキルを活かして島に関わってくれる人」という2つの顧客像に向けて、具体的なアクションアイデアの検討に入りました。

まずはファシリテーターが、これまでの島会議の議論をもとに、「山」「集落・海」「自由テーマ」という3つのテーマでアクションアイデアを導き出す分野を提示。テーマ毎にグループに分かれ、発表するアイデアを完成させていきます。

御蔵島にあるものを活かすにはどうしたら良いか?

1時間を超えるグループワークの間、各グループで度々、挙がったキーワードは「御蔵島にあるものを活かす」こと。新たな観光資源を無理に開発するよりも、すでにあるものを活かしながら、いかに来島者とコミュニケーションを深めるかが議論の中心となりました。

その後の発表では、「山」グループが、「村内にある施設等を交流の場として、まずは自分たちが楽しめる場所を作る」というアイデアを提案。島民自身が楽しむことで、その楽しさが観光客に伝わり、新規事業を検討する事業者が現れる可能性も展望されました。

「集落・海」グループは、来島者が荒天時や空き時間にいつでも気軽に参加できる「村内ガイドウォーク」を発案。従来の史跡案内的ガイドにとどまらず、島の人とそうめん流しを楽しんだり、ある条件の島民を探したりといった、島の人と来島者が関わり合えるコミュニケーションの機会を設けるなど、観光に携わっていない島民が幅広くそれぞれの目線で案内役となることで、島民と来島者の新たな関係性が生まれる可能性にも言及しました。また、来島者が期間限定でお店を出すことができるチャレンジショップ案なども紹介されました。

「自由テーマ」グループがまず提案したのは、ふるさと納税の返礼品を活用するアイデアです。加えて、冬場の長期滞在を目的にした山ガイドやドルフィンウォッチング、釣り、芸術作品等の創作の場としてもらうアイデアも挙がりました。

新たな視点も加わり、アクションプランの具現化へ向けて次の一歩

第1回島会議から参加している井上日出海さんは、「今回はじめて参加される人が積極的に会議に入ってきてくれて、新たな意見も出て有意義でした」と振り返り、主婦の西川充子さんは、「スタディツアーでは、島外の人のスキルを島でどう共存させていくのか学びたい」と期待を寄せました。

今回、挙げられたアイデアを具体化するヒントを得るため、次回はスタディツアーへ臨みます。

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