第3回父島島会議 開催レポート
亜熱帯の木々が生い茂る父島の森(©Susumu'Bovie'Fukasawa)
東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し、磨き上げることで、島のブランド化を目指す「島会議」を行っています。9月17日に開催された第3回父島島会議の模様をレポートします。
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様々なアクションアイデアを整理
3回目の島会議は、小笠原村役場会議室と都内の事務局をオンラインで結んだテレビ会議形式で開催されました。まずは、これまでの会議でまとまった「父島ブランドコンセプト」を参加者全員で確認。
この日の議題は、これからの「アクション=取組」のアイデアを出し合うこと。事前に集約した参加者のアクションアイデアと、各案の実現度の高さをファシリテーターが分析してスコア化した資料、それらの関連性を示したフローチャートをもとに、議論が進められました。
注目は『情報を集約して発信するツール』作り
アクションアイデアの発表では、現在地からGPS機能を使って観光スポットや食事処への行き方が調べられる観光アプリ開発から、環境保護を希求する、外来種駆除材を使ったハガキ制作、生態系を学ぶ環境保全プログラム、観光客が宿泊先に持ち帰る海洋ゴミにポイントを付け、オリジナルグッズなどと交換できる「海洋ゴミポイント交換」など、自然環境に配慮した父島ならではのアイデアが発表されました。今回の議論のために類似コンテンツを調べておいたり、関係各所に問い合わせて自分のアイデアの問題点を洗い出した参加者もいて、議論が深まることでより具体的にアクションアイデアの検討が進められていきました。
なかでも注目された「小笠原パスポート」案は、小笠原への出航・来訪時に記念スタンプが付く小冊子を発行するというアイデア。そこに、ゴミ交換ポイント、観光QRコード、地図掲載などのアイデアが盛り込めるのではないかと提案者が付け加え、「他のアイデアを取り込んで繋げて、さらにアイデアが広がる可能性がある」とファシリテーターがアドバイスしました。
スタディツアーで父島アクションをより意義あるものに
こうした議論を経て、①情報集約発信ツール(パスポート・アプリ)②島内エコの取組強化③生態系を学ぶ保全プログラムの3案が、優先順位の高い「アクションアイデア」として絞り込まれました。
次回のスタディツアーでは、3案の提案者をツアーのリーダーに任命することがファシリテーターから提案され、参加者全員が承認。リーダーを中心に、参加者の意見を集約・整理し、見学先を決める予定です。
回を重ねるごとに、具体的な意見が飛び交うようになってきた父島の島会議。次回の第4回島会議にも期待が高まります。