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まろやかで、華やか ウイスキーのような香り 樫立酒造 笹本庄司氏 池田武司氏 インタビュー

取組レポート

八丈島の坂上地区にある蔵元、樫立酒造の4代目笹本庄司さんと、1年前に移住して仲間に加わった池田武司さんのお二人に、蔵の歩みと新しい挑戦についてお聞きしました。

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創業100周年と「新しい仲間」の出会い

―樫立酒造さんは、2025年に100周年の節目を迎えられたそうですね。

笹本:大正14年(1925年)の創業で、私は4代目としてこの蔵を守ってきましたが、今は私一人で造りから配達まで何でもこなしている状態です。

―そこに、1年前に移住された池田さんが加わった。きっかけは何だったのですか?

池田:僕はもともと東京で人材関連の仕事や、副業でバーを営んでいました。2年ほど前に友人に誘われて八丈島を訪れた際、島の魅力にどっぷりハマってしまい、毎月のように通うようになったんです。その中で樫立酒造の経営に携わっている方とご縁があり、「100周年を機に蔵を盛り上げたい」というお話をいただいたのがきっかけで、去年の夏に移住し、本格的にプロジェクトに入らせていただきました。

笹本:最初は、おみやげの瓶やデザインなど、今までになかった感覚の提案ばかりで「本当に大丈夫かな?」と思っていました(笑)。池田さんの仕事の早さや新しいアイデアには驚かされますが、女性層にも評判が良くて、新しい風が吹いているのを感じています。

―笹本さんご自身は、いつ島に戻って家業を継ぐことになったんでしょうか?

笹本:27歳の時に島に戻ってきたのですが、その前に東京にある醸造試験所で半年間、住み込みで勉強しました。当時は日本酒の蔵元がメインの研修で、焼酎の蔵はうちと鹿児島のメーカーくらいでしたね。そこで日本酒の若手たちと切磋琢磨し、お互いの酒を交換して飲んだりした経験が、今の僕の酒作りの土台になっています。

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子どもたちと描いた「100周年記念ラベル」の物語

―「創業100周年記念ラベル」が大変好評だと伺いました。

池田:100周年企画として、2歳から18歳の島の子どもたちに「あなたが思う八丈島」というテーマで自由に絵を描いてもらったんです。お酒は20歳にならないと飲めませんが、大人になった時に「自分の描いたラベルの酒で乾杯しよう」というコンセプトです。

笹本:最初は「100枚くらい集まればいいな」なんて話していたのですが、結果的に250枚以上もの作品が集まりました。教育委員会の方々や学校の先生方も協力してくださり、事実上の「島プロジェクト」のような形になりましたね。

池田:絵がどれもかわいすぎて、結局すべて採用してしまいました。現在は、蔵を訪れてくれたお客さんには250枚のファイルの中から好きなラベルを選んで、自分でボトルに貼ってもらう体験型の販売をしています。夏祭りでの投票企画なども含めて、地元の皆さんを巻き込んだ温かいプロジェクトになりました。

笹本:若い人たちがこのラベルを見て「かわいい!」と手に取ってくれることが嬉しいです。確実に良い結果を生んでいるなと実感しています。

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伝統の「銅製蒸留機」が生む、唯一無二の味わい

―造りについても伺いたいのですが、樫立酒造さんならではのこだわりはなんでしょうか?

笹本:うちには40年ほど使い続けている銅製の蒸留機があります。今でこそ珍しくなくなりましたが、先代である父が当時としてはかなり思いきって導入したものです。ステンレス製に比べて熱伝導が良いので、でき上がる酒は非常にまろやかでウイスキーのような華やかな香りになるのが特徴です。

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池田:看板銘柄の『島の華』は麦焼酎でありながら、もともと芋焼酎を造っていた時代の酵母を使って発酵させています。そのため、麦の香ばしさの中にどこか芋のようなフルーティーさや甘みが感じられる、ほかにない不思議な味わいになっているんです。

笹本:もう一つの『潮梅(しょめ)』という銘柄は、その銅製蒸留に加えて、熟成を早める遠赤外線装置を通しています。名前の由来は、黒潮と親潮がぶつかる境目を「潮目(しおめ)」と呼ぶことにかけていて、味わいのいい塩梅を追求した一本です。

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樫立酒造のこれから

―お二人から今後の意気込みをお願いします。

笹本:伝統を守ることは大切ですが、池田さんのような若い世代が島の酒の文化を「かっこいい、守りたい」と思ってくれることが、何よりの希望です。これからもていねいに、島の人も観光客の方も笑顔になれるような酒造りを続けていきたいですね。

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池田: 八丈島のお酒はまだまだ知られていない魅力がたくさんあります。僕のような外からの視点と、笹本さんの伝統的な技を掛け合わせて、「樫立酒造に来ないと買えない」「ここでしか体験できない」という付加価値をどんどん発信していきたいです。

樫立酒造株式会社
https://kasitateshuzou.com/

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