日本在住の外国人編集者と神津島の魅力を探る!

神津島では、欧米・豪州などからの外国人誘客に向けて島の魅力発信を掲げています。2020年度は日本在住の外国人をターゲットに設定して取組を進めるべく、外国人の目から見た神津島の魅力とは何か、生活や文化が異なる外国人に島の魅力を伝えるため、どんな工夫が必要かなどを探ることとなりました。このことから、日本在住の外国人編集者、カメラマンを招き、実際に島を巡って取材してもらうことに。

取材は、神津島の主要な地域資源である「水」と「漁業」に焦点を当てました。調布飛行場からの小型飛行機で神津島を訪れた一行は自然ガイドの案内のもと、島を象徴する絶景を見られる多幸湾展望台から始まり、島に伝わる神話をモチーフにした水配り像、多幸湧水、赤崎遊歩道、天上山登山などを体験しました。意外だったのは、彼らからみた赤崎遊歩道。島を訪れる日本人観光客にとって、夏のレジャースポットと思われている赤崎遊歩道ですが、外国人目線でみると違ったようです。「行く前はアドベンチャー的な場所だと考えていたが、実際に行ってみると印象が違った。とても落ち着く、泳がなくても楽しめる場所だと感じた」とコメントが寄せられました。

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漁業の取材では、「神津島漁業協同組合」の協力により、市場でキンメダイの自動分別(鮮度を落とさないために自動で素早く、重量毎に仕分けをしてくれる機械)や漁協での競りを見学しました。また、多幸湾では、漁師の協力により、今朝獲ってきた魚を漁船から水揚げする様子を間近で見学。漁師にインタビューすることもでき、漁船やキンメダイ漁の解説を聞けました。「普段旅行しただけでは触れることができない、漁師の日常を知ることができ興味深かった」と感じ入っていました。

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全体を通して、「島の印象でいうと、沖縄はリゾート、神津島は本格的(authentic)。」「神津島の水が作り出しているのは、食べ物・飲み物だけではなく、島の人の良さ・文化などにも影響しているのかもしれない。」など、今後の取組に活かせる多彩なキーワードが出てきました。

一方、改善点として挙げられたのは、英語での情報が少ないこと。日本語を話せる外国人であっても、Web検索は英語で行うため、英語での情報が充実していないと気づいてもらいにくいとのことでした。中でも、移動に関して不安を感じている外国人が多いため、島までの行き方、島内の移動に関する情報は充実させたほうが良いとのこと。

今後は、彼らからのコメントを活かして「水」と「漁業」のストーリー化を進めるとともに、外国人向けWebサイトのコンテンツに反映していく予定です。

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