日本在住外国人をターゲットに2020年度の具体的な取組がスタート!

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東京都の竹芝桟橋や静岡県の下田からの航路に加え、調布飛行場からの空路でも訪れることができる神津島。夏は海水浴を楽しみに多くの人が訪れ、年間を通じて釣りや天上山のトレッキングも楽しめます。また、美しい星空を見ることができる島としても知られ、2020年12月1日(米国アリゾナ州現地時間)には、神津島村全域が東京都の区市町村で初めて「星空保護区」として認定されました。

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そんな神津島では、2019年度まで、ブランドコンセプトを「当たり前の奇跡に気づく、豊かな水と生きる島」として、神津島の自然環境を守り伝えていく情報発信の強化とツアープランの開発に取り組んできました。 季節に関係なく長期滞在する傾向にある欧米・豪州からの外国人の旅行スタイルに着目し、情報発信やツアープランのもとになる島内資源やコンテンツの整理を進めてきました。 これをふまえ、2020年度はターゲットを日本在住の外国人に置き、具体的に何を、どのような手段で発信するかの検討から始めました。

その中で重要なのは島にある資源の特徴・魅力を的確にターゲットに伝えるための「ストーリー化」です。ストーリーを明確にすることで、資源の魅力に対する島内の共通認識が生まれ、いつでも誰でも同じように来島者に資源を語ることが可能になります。「ストーリー化」は島のブランディングに直結するテーマといえます。

これまでも様々な資源がストーリー化したいコンテンツ候補として挙がっていましたが、検討を重ねた結果、「水」と「漁業」の2つのテーマに決まりました。

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「水」は神津島にとってのアイデンティティともいえる存在で、神津島に伝わる「伊豆諸島の水配り伝説」という神話があります。 これは、「昔々、神津島の天上山に伊豆諸島の神々が集まり生命の源である『水』をどのように分配するかを決める会議が行われた」というもの(神津島観光協会HPより引用)。 一般的に水不足が課題となる離島が多い中で、神津島は水の豊富な島として古くから認識されていたことを裏付ける神話でもあります。 実際に、神津島の至る所に水が湧き、特に「多幸湧水」「つづき湧水」の2ヶ所が「東京名湧水57選」に選ばれており、島の人に親しまれています。

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「漁業」に関しても、伊豆諸島随一の漁獲量を誇る神津島は、キンメダイをはじめ豊富な魚種が獲れるほか、島の伝統漁「きんちゃ(建切網)」や、古くから行われてきた「カツオ釣り神事」等の祭事・行事の存在など、漁業に関する様々な技術、文化が島の日常風景に溶け込んでおり、神津島を語る上では欠かせないテーマです。

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「水」と「漁業」という2つのテーマ選定に並行して、ストーリー化したコンテンツをどの媒体で発信するかを検討してきましたが、これについては、外国人向けに英語のWEBサイトを制作することが決まりました。

今後は、外国人視点で「水」「漁業」の伝え方を検討するため、日本在住の外国人編集者に現地を体験してもらい、体験後のフィードバックをもとに、さらなるストーリー化を進める予定です。

また、湧水の水質調査も行う予定で、これにより「水」の豊かさ、おいしさの背景を探り、今後のストーリー化につなげていく予定です。

WEBサイトは2020年度内にリリースを目指しています。さらに、「水」と「漁業」に関するコンテンツを充実しながら、体験メニューを開発・紹介するなどの展開を見据えています。

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