来島者向けトラベラーズノート「おがログ」のサンプルが完成!クラウドファンディングも検討中
父島を含む小笠原諸島は、2011年に世界自然遺産に登録されたことを機に、改めて観光地としても注目を浴びました。父島にも多くの人が訪れるようになるとともに、自然環境保護の重要性が高まっています。
2019年度の宝島事業では、自然環境の保全と再生の取組を通じて生態系や持続可能な社会について学ぶ「環境保全プログラム」の開発と、「トラベラーズノート」の制作を考えてきました。そんな中、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、「環境保全プログラム」の開発は難しいと判断し保留に。代わりに、改めて島の現状や観光について考え直す機会を作りました。
そこで、2020年度の父島の取組は、来島者向け「トラベラーズノート」の制作と父島の未来を考える場「父島みらい会議」の開催、という2つの活動を進めています。
来島者向け「トラベラーズノート」は、観光で訪れる来島者に島の魅力や資源について理解を深めてもらうツールとして、また、島の方々と来島者のコミュニケーションのきっかけづくりとしても活用されることで、島の環境と島の人たちの想いに共感するファン作りを行っていくことが目的です。
2019年度にベースとなるアイディアが出されてから、コンセプトや具体的な使い方、ノートのデザインなどについて検討を重ねました。 小笠原を愛してくれている方に旅の記録を残してほしいという想いからその名称を「おがさわらトラベラーズログ」、愛称「おがログ」に決定しました。
この「おがログ」の制作にあたっては、「父島ならでは」の要素をどう取り込むか意見が交わされました。
その結果、ノートの一部に島に植生する樹木のチップを組み込んだ再生和紙を使用すること、ノートの表紙に刻印されるロゴに、小笠原の固有種のヒロベソカタマイマイとクジラをモチーフにしたシンボルマークが使われることになりました。
ヒロベソカタマイマイは、カタツムリの仲間である陸産貝類で、小笠原の固有種。1000年から2000年前に絶滅したと言われ、現在は半化石状態となっている貝殻が見られますが、進化の過程がわかる貴重な証拠として知られています。父島の方々にとっては象徴的な存在です。
また、この「おがログ」を来島時に持参することで特典が受けられるようにするなど、島内での活用についても検討中で、島の方々とも触れ合う機会を増やし満足度の向上につなげることも狙いの一つです。
9月にはノートのサンプルも完成しました。サンプルをもとに、参加メンバーにより販売を見据えた改良が進められています。
サンプルの制作を経て、完成に向け具体的な道筋が見えてきた「おがログ」。 次は、「おがログ」のPRと販売を兼ねてクラウドファンディングに取り組んでいくことを検討しています。 クラウドファンディングによって、ストーリーを伝えるだけでなく、様々な意見を吸い上げ、さらなる展開へつなげていくことが期待されています。