東京11島とのコラボメニューが表参道ヒルズに登場!「東京宝島MENU」をレポート

2020年2月21日(金)〜3月15日(日)の24日間、表参道ヒルズのレストラン8店舗にて、東京の島々の食材を使用したオリジナルメニューを提供する「東京宝島MENU」が開催されました。自然豊かな東京の島しょ地域で育まれた特産品はどのような一皿となったのか。各店舗の担当者に伺いました。

モダンチャイニーズレストラン「蔭山樓(かげやまろう)」の提供メニューは神津島の伊勢海老を一匹まるごと殻付きのまま高温で揚げ、八丈島のモッツァレラチーズ、蔭山樓特製チリソースと一緒に煮込んだ「伊勢海老とモッツァレラチーズのチリソース煮」。「味噌も余すことなく味わっていただけるように、伊勢海老を一匹丸ごと使用しました。八丈島のモッツァレラチーズは柔らかく、さっぱりとした味わいで、スパイシーなチリソースとの相性も抜群」と店長の伊藤達哉さん。島レモンや島辣油など、今回使用しなかった産品にも注目し、「次は夏のメニューでも島食材を取り扱ってみたい」と意欲を語ってくれました。

フレンチバール「bar à vin PARTAGER(バール ア ヴァン パルタージェ)」の一皿は八丈島の島レモンを半分に切り、その中に神津島の伊勢海老、三宅島の明日葉 、レモンの果肉をマリネにして詰めた「伊勢海老と島レモンのマリネ」。シェフの桺澤裕樹さんは「サイズの大きい島レモンが目に留まり、くり抜いて器にしたら面白いと思った。レモンの器を島や船に見立て、島の魅力を一皿に詰め込みました」と料理の着想について教えてくれました。どれも普段フレンチで使わない食材であるものの、お客様からも高評価を得ており、今後も東京の島々の食材に注目していきたい、と期待を寄せました。

「明日葉の生命力ある強い味わいに苦労しました」と語るのはオーストラリア発のイタリアンダイニング「FRATELLI PARADISO(フラテリパラディソ)」の桶山千尋シェフ。「神津島の金目鯛と明日葉を使ったパスタ、"タリアテッレ ラグー ディ ペッシェ"」は幾度も試作を重ねたシェフ渾身の一品。明日葉に熱を加えピューレにすることで香りやクセも生かしながら金目鯛の旨味もバランスよく味わうことができ、明日葉を初めて食べるお客様からも大好評だったとのこと。

父島特産の薬膳島辣油を使った「SHIBIRE&島辣油 担々麺」を提供したのはシビレ系ラーメンの名店「シビレヌードルズ 蝋燭屋(ろうそくや)」。総料理長の片桐豊さんは父島の薬膳島辣油について「薬膳が入っているので辛味に加えて香り、旨味がある。」と絶賛。今回のメニューは蝋燭屋オリジナルの坦々麺をベースにしながらも、島辣油の香りを立たせた、お店のファンも納得の一杯に仕上がりました。

青ヶ島の「ひんぎゃの塩」をプライベートでも愛用しているという「ワインショップ・エノテカ&バー」店長の鈴木文博さん。ご親戚を訪ねて、年に数回八丈島に足を運んでいるそうで、「くさや」や「島寿司」といった島の食べ物も大好物だと話してくれました。今回のメニュー、「八丈島産レモンと八丈島産モッツァレラチーズのカプレーゼと白ワインのペアリングセット」はモッツァレラチーズとひんぎゃの塩を合わせた島レモンを主役に、同じようにすっきりした甘みに果実味が溢れるロワールの白ワインを合わせて提供。「チーズとレモンを販売してくれないか」というお客さんが出るほど好評でした。

「おいしく食べて、心も体も美しくなる=クリーンイーティング」をコンセプトとしている「Cosme Kitchen Adaptation(コスメキッチン アダプテーション)」のメニューは「神津島産金目鯛の粕漬けと、明日葉、島レモンの豆乳クリーム生パスタ」。メニュー開発を手掛けたディレクターの谷口かおりさんは食材選びのポイントについて、「神津島のコンセプトムービーを拝見し、獲ってすぐに冷凍された鮮度の高い金目鯛をぜひ使いたいと思いました」と語りました。
さらにレモンや明日葉のビタミンや抗酸化作用などに注目し、おいしく食べて、心も体も美しくなれる一皿に仕上げたとのこと。今回のメニュー開発を機に他島の食材にも興味を持ったとのことで「今後のメニューへの導入も検討していきたい」と島食材のポテンシャルに手応えを感じている様子でした。

本格ドイツ料理を楽しめる「Spätzle CAFE & WINE(シュペッツレ カフェ&ワイン)の一皿は、八丈島の島レモンとモッツァレラチーズ、青ヶ島のひんぎゃの塩、利島の椿油、大島のアイスクリーム、母島のレモンジャムといった東京の島しょ地域の食材6種を使用した「島レモンとモッツァレラのデザートピザ 椿オイルの香り」。「なるべく多くの食材を使って東京宝島のPRになるようなメニューを作ろうと思った」と振り返る料理長の塚本哲也さんは、皮ごと使える島レモンをメインに、その他の食材で味をまとめあげていったと言います。産地の近い食材同士は料理する上で相性が良いとされ、東京の島々の食材は一皿にまとめやすいと話してくれました。

東京の島々の食材と各ジャンルの一流の料理人が出会うことで生まれた「東京宝島MENU」。今回をきっかけに島を訪問したいと思ったという声も多く聞かれ、東京宝島の特産品の可能性をさらに感じることのできる試みとなりました。