第5回式根島島会議 開催レポート

空と赤のコントラストが映える、野伏港ふ頭灯台

東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し、磨き上げることで、島のブランド化を目指す「島会議」を行っています。12月16日に開催された式根島の第5回島会議の模様をレポートします。

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関係人口を増やして「将来のローカルヒーロー」を集めるには?

11月26日に開催されたスタディツアーで、古民家を再生したコワーキングカフェ「yuinowa(ゆいのわ)」と、公共スペースを活かしたコミュニティカフェ「ななつのこ」を訪問した式根島チーム。古き良き日本の島の原風景が残る島で、「ひと」と「場所」という地域資源を活用したコミュニティスペースを運営し、ワーケーションや起業のサポートをするプランを検討しています。

目指すのは、島の宝に触れながらゆくゆくは移住を考えてくれるような、「将来のローカルヒーロー」を集めること。そのために、式根島では「関係人口の拡大」を主軸にアクションプランを深めます。

地域資源の「ひと」と「場所」をアクションプランに紐づけて整理

第5回の島会議ではまず、アクションプランに紐づく「ひと」と「場所」を整理する議論からスタートしました。

「ひと」では、高齢者が集まって運営する「おばちゃん食堂」や、子供達が家庭などで内職できる「椿を使ったお土産」などを式根島全体で作って売ることのアイデアが挙がります。

アイデアの背景には、ブランド化を進める上で直面する課題として、オフシーズンは島内に食堂が1軒しかないこと、空き時間等を活用して人材の有効活用ができる事業が求められていること等があります。

続く「場所」の議論では、話し合いの過程からオフシーズンに貸してもらえそうな場所も絞り込まれていきました。

食堂の担い手については、「曜日ごとにオーナーを設定すれば参加しやすくなる」「島内外の若い人でやりたい人もいるのではないか」という提案も出され、「そこがコワーキングスペースにもなるのではないか」という意見も重ねられました。

では、その場所をどうやって運用するのか? 参加メンバーからは「上に立つ人や組織が必要」「コアメンバーは決めたい」「島外からも募集したい」などの意見が活発に飛び交いました。

実際に運営していく組織は?役割や担い手を考えていく

「ひと」と「場所」を活用したアクションプランから作り上げる場所にはどんな機能があったらよいか。式根島に興味を持ってやってきた高校生に「どこで話を聞いていいか分からなかった」と言われたことのある参加者は、窓口機能の重要性を強調。一方、スタディツアーで訪れた先進事例から「関与する人にもルールや理念を知ってもらう必要がある」ことを学んだ参加者は、審査機能の重要性も指摘しました。

どんな場所が作られるとしても、リーダーや運営組織には責任が伴います。そうした重責が議論の進行にストップをかけそうになりますが、参加者からは「今がやるとき」「ここでやらないと」などの決意も飛び交い、最後は運営者として名乗り出る参加者も。

参加者の池村理恵さんは「今は本当に何もない状態なので、今日も話し合ったような組織を作って色々なことができたら」と期待し、宮川央行さんは「どのように組織を事業化していくかが近々の課題。ビジネスマッチングで希望する方とお会いできるよう、まだ不足している部分は勉強していきたい」と展望しました。

次回は、2月18日に開催されるビジネスマッチングに臨みます。

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