第1回御蔵島島会議 開催レポート
「鳥の尾」から見た御蔵島の集落
東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し磨き上げることで、島のブランド化、高付加価値化を目指す「島会議」を行っています。6月13日に開催された第1回御蔵島会議の模様をレポートします。
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「イルカ」だけじゃない。まだまだある「御蔵島の魅力」とは?
6月13日に開催された第1回御蔵島島会議には12名が参加しました。
3チームに分かれ、各自が考える「島の魅力」を洗い出し、そこで挙がった「島の魅力」を磨き上げるため、「現在、島に来ている人」を例に、その人たちに「もっと御蔵島のファンになってもらうためにできること」 について議論を進めていきます。
「島の魅力」の議論では、仕事も年代も違う12名の参加者が思いついた事柄を付箋に書き出していきます。
野生のイルカが100頭以上も生息し、ドルフィンスイムツアーが有名な御蔵島ですが、将棋の駒に使われる「ツゲ」や「クワ」、島に豊富に湧き出る「水」、人口300人という小さな島ならではの「皆が家族のよう」「人と距離が近い」「安心安全」という「人と人との関係性」も御蔵島の魅力として挙げられました。
来島者との「島のつながり」をどうやって作っていくか
続いて「島の魅力を磨き上げるため」の議論が行われました。宿泊施設が限られ、来島できる人の数が限定される御蔵島では、観光客を新規に増やしていくのではなく、現在島に来ている人にもっとファンになってもらう視点が重要です。そこで、「現在島に来ている人はどういう人なのか?」という現状把握から議論をスタートしました。
「ドルフィンスイムを目的とした人が9割」を占め、「リピーターが5割近く」というデータを元に、「環境保全の意識が高い」「生物好き」な「30〜40代女性」の観光客が多く、「外国人」「ファミリー」なども増加傾向にあり、小規模離島という環境ゆえ「特別感を求める人」や「島の一員になりたい人」が存在するという意見が出ました。
「もっとファンになってもらうためにできることは?」の問いには、「島の人との関わり合いを持つことができた人は、ヘビーリピーターになっている」ということを踏まえ、「御蔵島との関係性を深める体験やコンテンツ」「イベントや島の祝い事などを通して島の人と知り合いになれる」といった「島とのつながるきっかけをつくることが大事」という意見が出ました。
一方で、御蔵島の暮らしや自然そのものが魅力であることから、それを守っていくことが重要であり、「心理的負担のない関わり合いが大事である」、「観光コンテンツを新たに作るのではなく、『島民の暮らしの中にお邪魔する』という感覚を大切にしてもらいたい」といった意見にうなずく人が複数見られました。
多彩なメンバーから出た意見には多くの共通項も
参加者の山田壮稔さんは、「いろいろな方向へ意見は広がりましたが、最終的には同じようなことを感じているんだなと分かりました」と話し、島へ嫁いできた広瀬弘子さんは、「バラバラだった意見が形になっていく過程がとてもおもしろく、前に進めている感じがして楽しかった」と振り返りました。
御蔵島の島会議は2019年度内にあと4回開催する予定です。今回、共有されたアイデアをベースに、次回以降の会議でさらに議論が進んでいきます。