第2回母島島会議 開催レポート

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住民の憩いの場「ガジュ下」

東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し、磨き上げることで、島のブランド化を目指す「島会議」を行っています。8月25日に開催された母島の第2回島会議の模様をレポートします。

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島に暮らす人の想いを言語化したい。新たな参加者も迎え第2回島会議を開催

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前回参加できなかった新たな参加者も迎えた第2回島会議。会議の冒頭、参加者から、東京都が東京宝島事業を始めた趣旨や島会議の進め方について質問が挙がりました。

東京都からは「人口減少や少子高齢化など、島の将来に対する危機感が発端。今後は島外からの消費や新しい来島者を呼び込むことも必要。そのために、島の魅力を再発見し、付加価値を高め、島を持続発展させていくための事業」と説明。参加者からは「観光目線だけでなく、母島の人達が何を求めているかを踏まえ取り組んでいきたい。地域力を底上げする機会にしたい」という意見が挙がりました。

これを受け、ファシリテーター(会議の進行役)から、「本会議は、島の皆さんが考えていることをしっかり言語化する場にしたい」と改めて説明し、心新たに島会議をスタートしました。

移住者目線で語られる、母島の自慢したい宝物

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前回の振り返りを経て、まずは参加者が思う事業のターゲット層を再検討。参加者からは、「島の良さを島に暮らす人に再認識してほしい」という意見や「観光客とくくらず、島に関心のある人すべて」といった意見が挙がりました。

次に、それらのターゲットに向けて自慢したい母島の魅力について意見交換。「子育て環境が良い」「治安が良い」「住民同士が協力する」「何も考えずにぼーっとできる」「夜になると商店がきちんと閉店する」など、参加者自らの移住者としての目線から、母島に残る人間らしい暮らしを評価する意見が多く挙がりました。

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続いて議論は島の課題へ。参加者からは、上の世代が作り上げてきた伝統文化や風習などが承継されていないことや、それに伴う地域力の低下といった課題が挙がり、「課題を克服するためには事業の担い手など、新しい人材が必要だと感じる」と、議論が進みました。

人間らしい暮らしが残っていることを伝えたい

では母島の魅力を誰に伝えるか。ターゲット(象徴的顧客像)と伝えたい内容についてさらに議論を深めました。参加者からは、「農業、漁業など、島の仕事の素晴らしさを子供達に伝えたい。島では農業や漁業は当たり前の風景で、その仕事の素晴らしさがなかなか伝わらない」「島に興味がある人に人間らしい暮らしが残っていることを伝えたい」などの声が挙がり、Uターン者やIターン者も「新しい人材」と捉えた活発な意見が交わされました。

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参加者の綱島 修さんは「参加者は皆、母島が大好きな人たちばかり。今回は母島の魅力に改めて気付くことができ、この場の皆で共有できてうれしい」と話し、宮澤かれんさんは「島会議はすごくいいプロジェクト。観光、農家、福祉、教育など各分野のキーパーソンを呼ぶとより発展する場になるのでは」と展望しました。

人間の本質的な暮らし方にまで話が及んだ今回の島会議。次回はこの議論を元に、具体的なアクションプランについて話し合います。

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