第2回青ヶ島島会議 開催レポート

青ヶ島の全景(©Makoto Harada)

東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し磨き上げることで、島のブランド化、高付加価値化を目指す「島会議」を行っています。8月1日に開催された青ヶ島の第2回島会議の模様をレポートします。

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まずは第1回島会議、スタディツアーの振り返りから

第2回島会議には4名が参加しました。まずは6月に行われた第1回島会議の振り返り。また、前回参加していなかったメンバーに向けてファシリテーター(会議の進行役)が会議のポイントを説明。7月に東京都心で行われたスタディツアーの視察内容が島会議メンバーに共有されました。

その後は、青ヶ島の立地条件による「来島の難しさ」を、一種の「閉じられた状態」と例えたファシリテーターより、「あえて制約を設けることで価値を生み出している」4つの事例が紹介されました。一般人が入島できない個人所有の島を周遊する「上陸できないツアー」を売り出し、人気を博すハワイのニイハウ島など、具体的なブランディングの成功例に、参加者は興味深く聞き入っていました。

未開拓?別世界?希少性を生み出す青ヶ島らしさを考える

続いて2つのワークショップを実施。
1つ目のテーマは「希少性を生み出す青ヶ島らしさとは?」。
参加者は「島で暮らしていると、何が"希少性"につながるのか思いつかない」と頭を悩ませながらも、「交通の便の悪さ」「未開拓」「閉ざされた世界」「孤島」という立地条件に起因することや、地理的条件や自然条件により閉鎖性の高い小規模離島では、ありのままの自然と人の暮らしが密着しているが故の「濃密な人間関係」があり、ヒト・モノ・コトが限られた島での生活を豊かに生き抜く「野性的な人」が多い、といった人にまつわる意見も挙がりました。

2つ目のテーマは「青ヶ島に来て欲しい人、関わって欲しい人はどんな人か?」。
「若者」「子ども」といったこれからの青ヶ島を担う若年層や、青ヶ島の自然や人を大切にしてくれる人として、「島民との交流を楽しめる人」「人・島・歴史を尊重できる人」「青ヶ島のことを正確に理解して伝えられる人」のほか、「音楽家」「研究者」「料理人」「職人」など島に足りないスキル保有者という意見もありました。このワークショップで挙がった様々な意見が、次回以降の議論の重要な論点へとつながります。

島会議は貴重な機会、より沢山の人が参加できる場へ

参加者の荒井康太さんは、「島会議は島の人にとっては良い機会。今後、より沢山の人に参加してもらいたい」と話し、佐々木祐治さんは、「普段はみんな忙しく話し合うこともないので島会議で集まって意見交換ができるのは貴重な機会。前回のスタディツアーも、知らなかったことを知ることができて良かった」と振り返りました。

青ヶ島の島会議は2019年度内にあと3回開催する予定。今回のワークで出てきたアイデアをベースに、次回以降の会議で具体的な取組を考えていきます。

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