スポーツと文化で島を活性化 てらすワークショップ代表 小林祐介氏 インタビュー
伊豆大島でスポーツを通じた教育・地域振興事業を展開する「てらすワークショップ」を営む小林祐介氏にお話を伺いました。

東京・中野から大島へ。「地域と学校」を繋ぐ想い
―小林さんはもともと都内で教員をされていたそうですね。伊豆大島への移住を決めたきっかけとはなんだったのでしょうか?
中野区の小学校で教えていた頃、地域の課題を子どもたちと一緒に考える総合的な学習に夢中になったのが原点です。周りの先生たちから「伊豆大島は伝統や文化が色濃く残っているよ」と勧められ、家族で旅行に来るうちに島で先生をやってみたいと希望を出したのがきっかけですね。

―移住してから、てらすワークショップを立ち上げるまでにどんな気持ちの変化がありましたか?
島で5年間教員をしている中で、島には若者が少なく、伝統行事などを守るのに苦労している姿を目の当たりにしました。学校だけでなく、一歩外に出て地域と学校を繋ぐような取り組みがしたいと思い、退職して活動を始めたんです。もともとバレーボール経験が長かったのですが、ご縁があって当時部員が3人しかいなかった大島高校のバレーボール部の手伝いを始めたのが今のスポーツ事業の始まりです。
―「島スポ(島スポーツ)」という名称も素敵ですね。
「島でスポーツをしよう」というシンプルな意味を込めています。 私自身、高校時代の合宿は辛い思い出ばかりでしたが(笑)、島の合宿は「元気をもらって帰れる場所」でありたい。 きれいな海や山、満天の星空を楽しみながら、チームメイトと特別な思い出を作る。 島の子も、都内から来る子も、スポーツを通じて「この島に来てよかった」と思える場を提供したいと思っています。

裸足の挑戦。ビーチスポーツが解決する「部員不足」の課題
―なかでも「ビーチスポーツ」に力を入れているとお聞きしました。
例えばビーチバレーだと2対2で試合ができるので、部員が少なくても大会に出られるという利点があります。 砂の上を5分走るのはアスファルトを20分走るのと同じくらいの運動負荷があると聞いたこともあり、子どもたちは裸足になって転げ回るのが本当に楽しそうで、体も自然と鍛えられているようです。
―建設中の「はだしパーク」にはどのようなこだわりがありますか?
秋の完成を目指して、宿のテニスコート跡地をリノベーションして作っています。 砂の上でトレーニングができたり、ヨガを楽しんだり、キャンプファイヤーを囲んで島の踊りを教え合ったり......。「スポーツをする場所」という枠を超えて、地域の人が集まれる公園のような場所にしたいですね。

次の世代にスポットライトを。島内外を繋ぐ架け橋
―「島ならではの合宿」にはどんな長所がありますか?
島内外の子や年齢を超えた、ごちゃ混ぜの構成で料理班を組んで、島料理教室をしたりします。 最初はドキドキして喋れなくても、半日もすれば仲良くなってLINEを交換している。 島の子はいつか都内に進学や就職で出ていくことが多いですが、その時に都内に、すでに頼り合える仲間がいる状態を作っておいてあげたい。バレーボールという手段を通じて、将来のセーフティネットとなるようなネットワークを育んでほしいと思っています。

―スポーツが人生の選択肢を広げるきっかけになっているんですね。
私の役割は、頑張っている子どもたちにスポットライトを当てることだと思っています。伊豆大島をビーチスポーツの聖地にすることで、島にいても全国を目指せる、夢は叶えられるという自信をまず子どもたちに持ってもらいたい。スポーツと島の伝統文化が共鳴し、島の内外から人が集まってくる。そんな活気ある未来を「はだしパーク」から発信していきたいですね。
てらすワークショップ
https://terrace-workshop11.com/