利他の視点で八丈島の新しい旅を創造するための勉強会を開催

「七色八丈で『Re:TABI』(リタビ)」 プロジェクト(以下「リタビ」)では、「利他(りた)」というキーワードで八丈島をより深く楽しむことができる旅のプラットフォーム作りを行っています。

八丈島では、これまで「自分の色を取り戻す、七色の魅力に輝く島」というブランドコンセプトのもと、SNSなどを通じて島で活躍している人にスポットを当てた魅力発信をしてきました。そのコンセプトを深掘りしていく中で、島で活躍している人は「(己を忘れ)八丈島(他)を利する」ことが共通項として存在していること、つまり利己と利他のバランスに優れていることに気付き、利他の視点で新しい旅の創造を提案することとしたのです。

そのひとつとして2022年10月25日、トラベルオーディオガイドアプリ「ON THE TRIP」にて八丈島「沢の小径」のオーディオガイドをリリースしました。

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(アプリ画面キャプチャ) https://on-the-trip.net/spots/535?locale=ja&fbclid=IwAR3r3bujykBquPsKGxsc_cb9m1GYj3MtKL0qdvii6gS0blaXJbfz2epWIQk

これに際して、改めて「利他」について学んでみようと、「利他学」を立ち上げて注目されている、東京工業大学の伊藤亜紗教授を八丈島に迎え、プロジェクトメンバー内部向けと、島外も含めたオープンな勉強会を開くことになりました。

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オープン勉強会では10名以上の現地参加者に加え、オンラインで島外から参加する方々も多数。伊藤先生からは利他についての概念、考え方の説明がありました。キーワードは「漏れる」ということです。利他は与えることだと思われがちですが、なにかを先回りしてやってあげることが、実は受け手にとって求められていないことや押し付けになっていたり、与える側による支配関係となってしまったりすることもあるというものです。

木の根もとにある植物は、葉の間から落ちてきた光「木漏れ日」のおかげで育ちますが、木はそれらの植物のために光を漏らしているのではありません。与えたいという意図が無い中で漏れ出し、それが押し付けやコントロールしたいという意図でもないことなどから、「漏れる」ということが、本当の意味での「利他」になるのではないか、という投げかけがされ、参加メンバーからそれぞれの思いが発表されました。

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勉強会の後には、伊藤先生にアプリを利用していただき、実際に「沢の小径」のオーディオガイドを受けながら散策をして沢の小径での様々な発見を感じていただきました。

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今後はアプリをさらに使っていただき、モニターツアーなどで八丈島の「利他」の旅=Re:TABI の可能性を広める活動を進めていく予定です。

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