郷土料理のレシピ再現!~先人の苦労を知る貴重な体験~

御蔵島では、これまで島の先輩方へ行った郷土料理のヒアリングをもとに、実際にレシピを再現する試作会を開催しました。

試作したメニューは「サクユリのきんとん」と「芋飴」。サクユリは宝島メンバーにて実際に収穫を実施しました。一般的にユリの根というと白く小さいものが思い浮かびますが、御蔵島のサクユリのユリ根は鮮やかな黄色で大きさは赤ちゃんの頭ぐらいのものもあり、初めて見たメンバーも驚いていました。

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芋飴の材料となるあめりか芋は御蔵島では手に入らないため、新島から取り寄せて試作しました。

1回目の試作で芋飴を作るのにかかった時間はなんと11時間です。半日近くかけて芋1kg、麦芽50gからできた芋飴は210g。本当に大変な作業であることがわかりました。

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郷土料理は非常に手間がかかるものであり、昔食べるものに困っていた時代に工夫をこらして栄養を取ろうとした先輩方の努力が見られるものです。多くの物が手に入るようになった現代の生活では必ずしも頻繁に作るものではないかもしれませんが、島の歴史や文化を感じられる「宝物」のひとつとして受け継いでいきたいと、島のメンバーは考えています。

芋飴を島の先輩方にもお配りしたところ、「すごく懐かしかった。おいしかった。よく作ってくれた」という声を多数いただきました。若い世代が昔の味を再現しようとしていることを嬉しく思っていただき、世代を超えた交流ができたということで有意義なイベントとなりました。

一方で、郷土の食材を使った新しいレシピづくりも行っています。昨年度島内外の方から募集した島の柑橘「かぶつ」のレシピを改良して島の人がもっと気軽に作れるようにするため、フードコーディネーターの先生と相談しながら、レシピ開発に取り組みました。

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開発したレシピを使って実際に試作を行い、「かぶつピール」や「かぶつ胡椒を使った豚バラキャベツパスタ」など新たな「かぶつ」メニューができました。見た目も美しい新メニューは、日々の食卓にも生かせそうなものばかりです。

今後はこれらのレシピを整理し、レシピサイトへ掲載する予定です。島の人に作っていただき、御蔵島でしか味わえない「特別感」を感じてもらえるものとして、島に根付かせていきたいと考えています。

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