島の野生が醸し出す青ヶ島焼酎 リブランディングガイドブックを作成 (2020/3)
東京島しょ地域の事業関係者をはじめ、地域産品のブランディングに取り組まれている方々の参考としてご活用いただくため、「あおちゅう」リブランディングの取り組みのプロセスとそこから見い出された新たなブランドや商品、課題など、プロジェクト全体をわかりやすくまとめました。
あおちゅうをブランディングしていくにあたり、
今後のブランディングの方向性を示す「ブランドコンセプト」と、
あおちゅうの歴史や価値を表現する「ブランドストーリー」を策定しました。
今後策定したブランドストーリーやコンセプトに基づき
様々な施策を行っていく予定です。
外界から隔絶された火山の島に、
古の蒸留酒の面影を宿す焼酎があった。
島に棲む野生の菌で醸す。
野生の菌は
森のタニワタリに抱かれて眠っている。
麹菌は麦を醸し、
酵母は芋を醸す。
島人の命を支えた恵みを、菌と分け合う。
島の恵みが溶け合って、
命がブツブツと湧いてくる。
青い花の蜜のような、島の夜の楽しみ。
伊豆諸島最南端の火山島・青ヶ島では、かつて島外へ出稼ぎに出ている愛する男たちのために、女性たちが醸した自家製焼酎があり、「あおちゅう」と呼ばれていました。その造り方と味は代々引き継がれ、現代では、各家庭に伝わる味を受け継いだ杜氏たちによって、それぞれの焼酎が製造されています。その多くは島に自生する植物と野生の菌を使って造られ、大量生産はできませんが、焼酎が自家醸造された時代の製法を今に残す、独特の風味が魅力です。
現在、青ヶ島には10名の杜氏がいて、それぞれに焼酎を造っています。私も母が造っていた焼酎造りを継承し、自分なりの改良を加えながら製造しています。
焼酎造りは大量の麦や芋を扱い、夜も2時間おきに起きて麹を管理したりと、体力的にキツイ仕事です。やめたいと思ったことも度々ですが、やり始めたからには良いものを造りたいという思いで造り続けています。
ブランド化支援事業を通じて、焼酎造りが生業として成り立つものにできるよう、価値を高めていろんな方に楽しんでもらえるようにしたいです。
そして将来、あおちゅうに興味を持って焼酎造りを継いでくれる若い人が増えてくれることを願っています。
東京島しょ地域の事業関係者をはじめ、地域産品のブランディングに取り組まれている方々の参考としてご活用いただくため、「あおちゅう」リブランディングの取り組みのプロセスとそこから見い出された新たなブランドや商品、課題など、プロジェクト全体をわかりやすくまとめました。
2019年12月初旬、青ヶ島の焼酎「あおちゅう」の魅力を体感する「あおちゅうツーリズム」が開催されました。
2019年12月初旬、青ヶ島の焼酎「あおちゅう」の魅力を体感する「あおちゅうツーリズム」が開催されました。
「初垂れ」の販売促進としてラベルリニューアルとPOPの作成を行いました。
あおちゅうの販路開拓やファン獲得・拡大を目的としたあおちゅうツーリズムの企画を立ち上げ。「熟成鮨 万」でのペアリングイベントを開催しました。
鹿児島大学附属焼酎・発酵学教育研究センターの協力のもと、青ヶ島で造られる焼酎の魅力や特徴、一般的な本格焼酎との違いを言語化するために成分分析を実施しました。
青ヶ島の飲食店でのみ提供される、より濃縮した風味が味わえるアルコール度数60度の「初垂れ」の販売開始に向けて、提供場所の開拓などの支援を行いました。
成分分析の協力機関となる鹿児島大学附属焼酎・発酵学教育研究センターへの視察を行いました。
アドバイザーチームによって、今後のブランディングの方向性を示す「ブランドコンセプト」と、青ヶ島焼酎の魅力や特徴を伝えるための「ブランドストーリー」を策定しました。