「第1回東京宝島会議」開催!
東京宝島事業と東京宝島会議について
2018年からスタートした東京宝島事業。東京の島々が持つ素晴らしい景観や特産品、文化などを、これまで以上に有効活用して更なる魅力拡大を図ることを目的に、東京11島の住民の方々が主役となり「東京宝島ブランド」を作り、磨き上げ、広く発信し、島の高付加価値化を実現しようという取組です。この事業の一環として、各島(2018年度は大島(おおしま)・神津島(こうづしま)・三宅島(みやけじま)・八丈島(はちじょうじま)にてブランド化に向けた議論を行う場「島会議」を実施していますが、東京宝島会議は島会議を実施している4島以外の7島も含めて東京都の島しょ全域の関係者が出席する会議です。「東京宝島ブランド」として社会的認知を図るため、先進事例を学びながら情報共有や意見交換などを行うことを目的に開催します。
10月23日、東京宝島事業の一環として第1回東京宝島会議が開催されました。
11島が集結し、第1回東京宝島会議がスタート
第1回東京宝島会議の会場となったのは、東京の島々へ渡る玄関口となる、東京竹芝港近くのニューピアホール。会場の一角には11島から集めた特産品コーナーがあり、伊豆大島や利島の「椿油」、新島の「新島ガラス」、三宅島の「てんぐさ」、八丈島の「明日葉茶」など各島を代表する特産品、青ヶ島の「あおちゅう」など各島の焼酎やリキュール、伊豆諸島や小笠原へ旅した人には馴染み深い島旅の必須アイテム「ギョサン」などが並ぶ中、各島の町村長をはじめ、初年度に島会議を実施する大島・神津島・三宅島・八丈島(残る7島は2019年度以降開催予定)の参加者や11島の関係者など約100名が顔をそろえ、小池百合子都知事も出席。多くのマスコミも集まる中、第1部としてプロジェクトの趣旨が説明され、シンボルとなるロゴマークの発表などのセレモニーが行われました。
島々の光を集めて一つに。ブランドロゴ・コンセプトが発表
冒頭、小池都知事から東京11島をめぐった自らの記憶を振り返りながら、「ひとつひとつに個性があり、磨けば光る宝が詰まっている。この会議からブランド化に向けた取り組みを加速させたい」と挨拶。その後に行われた東京宝島ブランドロゴ・コンセプト発表では、約100人の島民やプロジェクトの担当者、マスコミの視線が集まる中、各島の町村長と都知事の手で各島の魅力が集まりカラフルに光り輝くダイヤモンドを表現したレリーフに、島ごとの宝に見立てたパーツがはめ込まれ、ロゴマークが完成。
また、「知的好奇心旺盛で、感性を磨いてくれるものをいつも探している」「唯一無二のものやコトの魅力を見つけ楽しむことが喜び」などこのプロジェクトで想定する顧客像の具体的なイメージや、これからの東京宝島が目指す「粒違いの11の『島柄』や『物語』が生み出す特別な体験や発見が、島と繋がる人の『宝』となる」といったブランドコンセプトが読み上げられました。
各島の宝の磨き上げに向けて、ブランディングキットを贈呈
東京宝島事業の特長は、島民主体の島会議と11島が歩みを合わせる東京宝島会議が繰り返し行われること。
島会議は3段階で構成されます。まずは「インプット」。参加者が自らの島の個性・価値・将来像・ビジネス環境等を改めて把握し、理解を深めます。次に「コンセプト」。島の地域ブランドを磨き上げるための方針となる「コンセプト」を固めます。仕上げは「アウトプット」。プロジェクトで生まれた新たなアイデアを実際に形にします。
初年度の4島からはどんなアウトプットが飛び出すのか。そのアウトプットに向けて、小池都知事から4島の代表者に、宝の磨き上げに活用できるブランディングキットが手渡されました。
有名地域ブランドの成功事例に学ぶ
第2部では、地域ブランドの成功事例として、今や誰もが知る存在となった有名地域ブランド「今治タオル」にヒントを得るため、今治タオル工業組合の井上裕基理事長が講演しました。
愛媛県今治市は、しまなみ海道の始点・終点に位置し、昔から「タオルと造船の町」として知られる場所。製織、染色の工場が200近くも集まる一大タオル産地として120年の歴史を誇ります。しかしながら、市場の36%のシェアを誇った1991年のピークを境に、2006年にはそこから1/4まで落ち込むほど生産量は激減。安価な中国製などの輸入物が8割を越える状況から地域産業の危機を脱したストーリーや、地域ブランドとして確立されるまでの具体的な実践手法に、参加者は熱心に耳を傾けました。
井上理事長は「全国各地域のブランド化の取組は活発化している」と話し、「東京宝島においても、一つのコンテンツ、一つの目標をブランディングできるよう祈念する」と11島にエールを送りました。
東京宝島プロジェクトと地域ブランディング
続くトークセッションでは、「東京宝島プロジェクトと地域ブランディング」というテーマで、東京宝島推進委員会の委員長を務める山田敦郎氏(グラムコ株式会社)、島会議参加者代表として歌川真哉氏(八丈島・リードホテル&リゾート株式会社)、今治タオル工業組合の井上理事長、離島経済新聞社の鯨本(いさもと)あつこ統括編集長の4名が登壇し、トークセッションを実施。
歌川氏は「八丈島のオリジナリティを押し出したい。海も山も雄大で国立公園でもある。例えば、国立公園の名称を東京諸島国立公園に変えるだけで、今よりももっと知名度が上がるはず」と語り、山田委員長は「島の人が誇りを持てるものをつくるのがブランド化」と話す一方、「ブランド化は顧客視点も大事。どうやったら喜んでもらえるか、顧客視点で考えてほしい」とアドバイス。鯨本編集長は「プロジェクトに直接関わらない島民の方々にも積極的に情報を伝え、島全体で盛り上がりをつくってほしい」と期待しました。
11島が集まれば、何かができるはず
会議終了後の島産品の試食会(交流会)では、11島の食材を使った料理や飲み物が振る舞われ、それぞれの島からの来場者が島の枠を飛び越えて交流を行いました。各島の参加者からは「11島が連動して動くことはなかなかなかった」という声が多くあがり、「今後が楽しみで、今からワクワクしている」「11島が集まれば何かできるかもしれない」「参加者は島へ思いのある人たちばかり。もっと頑張っていきたいと決意を新たにした」という期待や決意が聞こえてきました。
参加者の声