「第7回東京宝島会議」を開催!

2021年7月8日(木)、「第7回東京宝島会議」が開催されました。この会議は東京の島しょ11島のブランド化に向けた取組状況の共有と、新しいビジネスの視点や知見・気付きの共有により、アイデアのブラッシュアップを目的に年2回開催されているものです。

今回は、コロナ禍の影響で第5回・第6回の東京宝島会議と同様に、オンライン配信による開催となりましたが、各島からの積極的な取組の様子や質疑応答が見られる活発なものとなりました。

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各島の取組発表に活発な意見交換

最初のパートは各島からの発表です。離島経済新聞社理事の大久保昌宏さんをモデレーターに、全体の進行を行いました。

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1島目は父島です。「ありのままに命が輝く、別世界を生きる島」をブランドコンセプトとし、昨年度は小笠原の旅の記録帳「OGASAWARA TRAVELER'S LOG(おがログ)」を作成しました。クラウドファンディングを実施し、目標金額200万円のところ212万円を達成。支援者へのリターン品の発送とおがログ公式HP公開が行われました。

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発表者の西本さん:
「今年度はおがログ公式HP内へのEC機能の搭載、外来樹を用いた新商品開発、SNS情報発信や『環境保全コンテンツ』の開発を計画中です。同時に島の人たちと『父島みらい会議』を開催し、父島で暮らす幸せや喜びについて考える話し合いをしています。昨年度は7回会議を開催しましたが、今年度も月1回の開催を続け、2022年2月の発表に向けて準備していきたいと思っています。」

2島目は利島です。利島では「恵みを満喫、幸6000年の里島」をコンセプトに、島の魅力を広くアピールできる商品を開発しています。昨年度は 島内から商品化のアイデアを招集し、島内で製造できる「明日葉と椿油のソース」の商品化に向け、料理研究家の方と一緒にレシピを考え、製造工程・マニュアルの作成まで実施しています。

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発表者の⻑⾕川さん:
「島内で試食会を企画しましたがコロナ禍でできなくなったため、6月29日より島内に試食サンプルを配布開始し、アンケートを回収しているところです。今年は商品として販売することを目標としており、現在、、商品化に向けた製造、検査・分析、PR検討などを行っているところです。11月には販売を目指しています。」

3島目は神津島です。ブランドコンセプトは「当たり前の奇跡に気づく、豊かな水と生きる島」。神津島の水の魅力を外国の方に伝えることを念頭に活動してきました。昨年度は言葉の細かいニュアンスやユーザーインターフェースにこだわった英語版Webサイト構築に力を注ぎました。他にも島の水質調査、Webの島内周知を実施しています。

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発表者の中村さんより:
「今年の取組は『水のブランドストーリー』の深掘り、『漁村体験』に眠る神津島の漁業の言語化、英語版Webによる継続的な情報発信の3本柱を考えています。神津島の魅力を島の人が言語化して語れるようになることで、観光力をアップさせ、閑散期の集客を目指したいと思っています。」

4島目は大島です。ブランドコンセプトは「ちょうどいいが見つかる、行きつけになれる島」。大島のシンボルというべき「アンコさん」をテーマにした商品開発のほか、PRのための冊子やWebの制作を実施しました。

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発表者の千葉さん:
「昨年度作った冊子とWEBを活用し、『アンコさん』のプロモーションを推進していきたいと思っています。『PR班』ではミス大島との連携や、明日葉や椿油などのウェルネスフード・花を通した美しさにつながるライフスタイルや楽しみ方の提案を計画しています。『アンコさんを深める班』では、『伊豆大島アンコ文化保存会』主催イベントが11月に開催されるため、それをバックアップしていきたいと考えています。丁寧に取材し、継続的にPRできるものを作りたいですね。」

5島目は式根島です。ブランドコンセプトは「働く場所が、遊ぶ場所。新しい『なつかしい』をつくる島」で、主にワーケーション推進に取り組んでいます。昨年度は「式根島アカデミー」を全3回開催し、13名のモニターを受け入れて式根島ならではのワーケーションについて意見交換を行い、SNSやメディアを通じてワーケーションの魅力を発信してきました。

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発表者の宮川さんより:
「今年度は移住・定住を見据えた長期的な関係人口を構築し、式根島ならではの『アイランドワーケーション』を確立したいと思います。式根島アカデミーを有料化するなどワーケーションを本格化するとともにキャンピングカーを使った新たなワーケーション体験などを提供し、島内にも取組を周知していきたいと考えています。新島村が地域連携を結んでいる東京都渋谷区・港区の企業に協力を呼びかけるなどのアイデアもあります。」

6島目は青ヶ島です。ブランドコンセプトは「自力に目覚める、絶海絶景の島」です。「青ヶ島内外への魅力発信」「青ヶ島についての認知・理解向上」「コアな青ヶ島ファンの育成」を目指し、将来的には地域課題解決につなげたいと考えています。昨年度は島の人目線によるリーフレット「HELLO!青ヶ島」を作成しました。。

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発表者の荒井さん:
「今年度の取組は『リーフレットの島内外での活用』『SNSでのハッシュタグ(#ハロー青ヶ島)の活用』『コアなファンと交流する場作り』の3つを柱として行っていきます。島内へのリーフレットの配布は完了しましたが、島外のコアなファンに向けても渡していきたいと考えています。Twitterを活用した発信やオンライン交流なども実施していきたいと思います。」

7島目は八丈島です。八丈島では「自分の色を取り戻す、七色の魅力に輝く島」をブランドコンセプトに、人の魅力を発信する活動を行っています。昨年度は写真集「七色八丈図鑑」を発行し、八丈島の魅力を伝えてくれそうな人物35名を紹介しました。この写真集は島内の宿泊施設や飲食店などに配布されています。また、SNS(Instagram)アカウント「@7iro8jo」を開設し、写真集でも取り上げた35名の紹介を中心に、島の魅力を発信しています。

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発表者の田代さん:
「写真集への反響が大変大きかったため、より多くの方に見ていただけるようデジタル版写真集の作成を企画しています。移住関心層や授業で八丈島のことを学ぶ子どもたちに見てもらえるといいですね。SNSアカウントは八丈島の風景や日常も発信し、さらなる活用を計画しています。」

8島目は母島です。ブランドコンセプトは「みんなが『らしく』暮らせる母なる島」。母島の方々が集まり「母島の過去、現在、未来を知り、考え、動く」場である「母島部活堂」では立場や年齢を超えた人が集まり話し合っています。昨年度の部活堂はオンラインで実施しました。

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発表者の宮城さん:
「今年度の母島部活堂は島内で6月にも実施しましたが、次世代の不足、住みたいのに住宅がない、医療介護不足などの課題が浮き彫りになりました。今年度は話合いを継続し、2022年2月の島内発表につなげたいと思います。同時に島あそびの伝承を通した多世代交流や他地域交流も進めたいと思います。」

9島目は御蔵島です。ブランドコンセプトは「すべてが特別になる、あなたを宝物にする島」です。昨年度は島の柑橘「かぶつ」を使って「冬の御蔵島おすそわけ」プロジェクトを実施し、30名から46のレシピを得られました。今年度は新たに井上さんが地域コーディネーターのバトンを受けて活動を推進していきます。

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発表者の井上さん:
「今年度は『島の郷土料理を伝承していくプロジェクト』に取り組む予定です。新たな観光コンテンツを開発するのではなく、島に既にある宝物を活かせるよう、先輩方へのヒアリングを通して御蔵島の食の魅力を発掘し、レシピを作成・記録し、情報発信をしていきたいと思います。」

10島目は新島です。ブランドコンセプトは「新しい、でつながる島」です。昨年度は新島の新たな移動手段としてベロタクシーを導入し、ツアーを作りました。体験提供サービス「TABICA」にもツアーを登録し、島内外に向けて発信しています。ベロタクシーの車体は色を塗り替え、新島らしいデザインにしています。

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発表者の⻄胤さん:
「6月にはTABICAを通じて1件申込みを受けました。お客様とも友達のようになり、ガイドするというよりはコミュニケーションの手段としてとても楽しい時間を過ごしました。今年度はベロタクシーの活用・定着を図りたいと思います。ドライバーの確保、ガイド内容やコース設定の工夫などベロタクシーの安定稼働のための仕組みづくりや島内への理解促進を行っていきたいです。」

11島目は三宅島です。ブランドコンセプトは「五感を呼び覚ます、火山とともに過ごす島」。火山を軸とした観光・体験プログラムや魅力の発信を行っています。具体的にはデジタル観光ツアーアプリや写真プリント機器の活用を検討しています。

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それぞれの島の発表の後には他の島の方からも質問が飛び出し、自分の島にも生かせそうな取組や工夫などを興味深く聞いていました。

第6回東京宝島会議の時から取組が大きく進んだ島もあり、今年度の活動がますます楽しみな発表となりました。

新しい可能性を感じるオンライン体験
会議の後半は、アソビュー株式会社の内田有映氏より、「オンライン体験のトレンド紹介」が行われました。

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コロナ禍で実際に観光することが難しい中、オンライン体験市場は大きなものとなっており、大手旅行会社でもオンライン体験のメニューを拡大しています。

アソビュー株式会社が提供するサイト「アソビュー」では、昨年は沖縄離島のオンライン体験プログラムを実施するなど離島でのプログラム開発の実績も持っています。

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今回はオンライン体験プログラムを開発するにあたり、地域の資源をどのように設定すれば良いかの話に注目が集まりました。地域資源設定に当たっては、大まかに以下の3パターンに分かれます。

パターン1:ガイドツアーのオンライン化
これは地域の人しか知らない場所をツアーとしてオンライン化するケースです。例として別府の湯けむりオンラインツアーや川越のオンライン人力車などが挙げられました。

パターン2:人・スキルをオンライン化
地域の個性的な人、スキルを持ったとの交流をメインコンテンツとするプログラムです。例として沖縄離島で地域の踊りを踊れる人との交流や、兵庫県でホタルイカでまちおこしをしている方々との交流が挙げられました。

パターン3:商品購入をオンライン化
商品の購入と体験をセットにして販売するというプログラムです。物とオンラインイベントの組み合わせが相性が良いものとなっており、例として宮古島のサトウキビを苗から育てて黒糖作りをするプログラムや、利き酒セットを送ってお酒に関するトークイベントに参加するプログラムなどが挙げられました。

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内田氏からは、島での取組に基づいて「このようなプログラムが考えられるのでは」という提案があり、島の方々とディスカッションする場面もありました。

島によってはすでにオンライン体験プログラムを実施したところもあり、島に訪問が難しい中での交流の可能性や、海外との交流にまで広がることに対する期待が語られていました。

島では当たり前に普段からやっていることが、見せ方を変えるだけで気づきと驚きを提供できるものになることが改めて発見できる機会となりました。

ウィズコロナ、アフターコロナの島のあり方を考えるうえで、オンライン体験は一時的なものだけではなく、将来にわたっての新しい島のファンづくりに資するものとなりそうです。

全11島の皆さんがまた一堂に会せる日を願いつつ、島同士の交流やコミュニケーションが生まれた東京宝島会議となりました。

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