第4回新島島会議 開催レポート

東京宝島事業では、島の住民が主体となり、各島の魅力について議論し、磨き上げることで、島のブランド化を目指す「島会議」を行っています。10月17日・18日の2日間に渡り、新島で開催された第4回島会議の模様をレポートします。

>> 新島の概要はこちら

ブランド化のヒントを探るべく2社を招き、具体策を検討

第4回島会議は、7月のスタディツアーで訪問した体験予約サイト「TABICA(タビカ)」と、モビリティ・プラットフォーム「CREW(クルー)」の担当者を新島に招きました。

今回の目的は、新島のブランド化に向けたアクションアイデアとして挙がっている2社との連携を具体的に検討すること。この日のために島に駆けつけた担当者と共に島会議が始まりました。

1日目は、株式会社ガイアックス TABICA事業部地方創生室室長の細川哲生氏がTABICAの仕組み、活用方法や、地域との連携事例などを参加者にレクチャー。

TABICAを利用する観光客と、体験プランを提供するホストの間でサポート役を務める「地域コーディネーター」について、参加者の関心が集まりました。この制度を活用することで、体験プランを開発する人へのサポート、観光客との橋渡しといった役割を担えて、島内の取組が活気づくのではないかという意見もあがりました。

新島の暮らしをそのまま感じることができる体験プランとは?

午後は、実際に新島での体験プランをつくるワークショップを実施しました。TABICAの体験プランについて、細川氏は「そこで暮らしている人が感じていることや好んでいるものを、そのまま体験しいただくイメージ」と説明。「希少性がある」「交流体験ができる」「複数コンテンツが組み合わせられている」という人気プランをつくるヒントを元に、参加者はチームに分かれて体験プランを考えました。

参加者が打ち出したプランは、「その日の波乗りベストポイントガイド」「夏の夜のアカイカツアー」「海水からの塩作り。焚き火を囲みながら」「移住歴20年、話を聞くのが好きなセルフビルダーと島を過ごす、アウトドアバーベキュー」「素早いあいつをつかまえろ!スナガニ掘りとビーチコーミング」など、バラエティに富んだもの。

他にも、「新島の風景とゲームの世界を重ねてひたる体験」や、「路地巡りとおばあちゃん達との縁側ティータイムを楽しめる体験」などが発表され、大いに盛り上がり、互いのアイデアをコラボレーションさせる案を話し合うなど、体験プランの深化を図る姿も見られました。

移動手段としての「CREW」導入を具体的にイメージ

2日目は、「CREW」を提供する株式会社Azit(アジット)の岡本大祐氏によるレクチャーから会議が始まりました。

CREWは、移動手段を持たないユーザーがCREWを通じて一般のドライバーと出会い、自家用車で目的地まで乗せてもらうことができるサービスです。

サービス紹介動画が流され、参加者はCREWが提供する「自家用車を利用して、人を移動させるサービス」「人と人とが助け合う世界観」を理解することができました。

その後の質疑応答では、連携方法や長崎県五島市の久賀島などで行われた実証実験などについて質問が集中し、実行に向けた理解が深まっていきました。

質疑応答の後は、岡本氏と共に島内の視察へ。
参加者はCREWやTABICAを活用するイメージを膨らませながら島をめぐりました。新島の宝である様々な資源や、船が寄港する若郷エリアと島の中心部とを繋ぐ移動手段が乏しい現状を再確認。CREWの活用方法について更に議論を深めました。

まずはチームを結成。ブランド化に向けた検証へ進む

2社を招いたスタディツアーの締め括りは、実行を見据えた意見交換を実施。
ここでは、空き家活用やコミュニティスペース作りに取組む「新島OIGIE(オイギー)」を、2社のコーディネート役とする案が提案されました。

加えて、「CREWとTABICAの連携プランを作ることがゴールではない」「(ブランド化の実現には)チームがあるといい」という意見が挙がり、「まずは、チームを作ってTABICAとCREWを連携させた公式モデルプランを1つ打ち出す。それを軸に、実証実験を通して検証をしていく」という方向性が見いだされ、2日間のスタディツアーは終了しました。

参加者の梅田久美さんは「一方的に話を聞くのではなく、やりとりしながら、より地域にあった話ができた。TABICAやCREWの方に現地を見てもらえてよかった」と話し、オフィス・オーヨ代表でフリーペーパー『にいじまぐ』を発行する宮川由美さんは、「現実的な話もあり、色々な意見が出て面白かった。できるできないが見えて、イメージがふくらんだ」と話しました。

スタディツアーの学びをベースに、11月25日に開催される東京宝島会議と、第5回島会議に臨みます。

会議のレポートをPDFを見る