御蔵島の食材を活用!普段使いできるアレンジレシピを作ってみました

御蔵島郷土料理研究会では、御蔵島に伝わる様々な郷土料理を再現し、Web上のレシピサイト「クックパッド」に掲載してきましたが、同時に郷土食材を使ったアレンジレシピの開発にも取り組んできました。

はじめに島のメンバーとフードコーディネーターの先生とで話し合った内容は、「アレンジレシピ」の定義です。当初は御蔵島の郷土料理を現代風にするという話もありましたが、郷土料理として完成しているものを変えることに意味があるのか?という議論があり、御蔵島で簡単に手に入る一方、利用方法のバリエーションが不足している食材を使用することにしました。選ばれたのは「かぶつ」「明日葉」「よもぎ」の3つ。若い人が親しみやすく、作りやすいレシピの開発に取り組みました。

3つの食材について、どのようなアレンジレシピを考えたか、例を挙げて紹介します。

2023_mikura2_img_01.jpg(出典:クックパッド「塩レモン超え!?アロマなマジック製ソルト」

まずは島の柑橘「かぶつ」です。一般的には「ダイダイ」と呼ばれる果物で、昨年度までにもレシピ開発に取り組んできました。今回は「かぶつソルト」という調味料にすることによって、いろいろな料理に使えるようにしました。普段は捨てられてしまう皮の部分を使っていることや、電子レンジで作れる工程の簡単さもポイントです。

2023_mikura2_img_02.jpg(出典:クックパッド「アボカドとクリチの明日葉ジェノベーゼ」)

明日葉は香りが特徴的なため、バジルのようにソースにして使うことを中心に考えました。上記のレシピはパスタのジェノベーゼソースを明日葉で代用したものです。また、イタリアでパセリを使って作られるソース
「サルサヴェルデ(https://cookpad.com/recipe/7428965)」
を明日葉で作るレシピも考え、気軽に郷土食材とイタリア料理を組み合わせられるようにしました。

2023_mikura2_img_03.jpg(出典:クックパッド「1番簡単!よもぎの下処理方法・保存法」

よもぎは料理ではなく、下処理の簡単な方法を掲載しました。多くのレシピサイトでは、よもぎを使う場合、市販のパウダーや粉末を使用することが一般的です。そのため、よもぎペーストを作って保存する方法をレシピ化しました。これにより、よもぎ大福やチーズケーキなどより手軽によもぎをお菓子作りに取り入れることができます。

今回の郷土食材アレンジレシピでは、奇抜なアレンジよりも、多くの方が日常の食卓で楽しめるよう、島の食材を使って身近な味を楽しめるレシピを選びました。郷土の食材を楽しみながら活用していくことで、郷土の文化に対する理解も深まっていくにちがいありません。

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