太鼓文化を通じて、他島との交流のきっかけに!

日本には多くの島があり、それぞれの島には独自の文化が根付いています。東京宝島アクセラレーションプログラムで取組を進める団体「青ヶ島還住太鼓」では、青ヶ島の郷土文化発信を通じて、コアなファン造りに取り組んでいます。

青ヶ島の郷土文化の中でも「還住太鼓」は、青ヶ島の神事やお祭りだけでなく、人々の日常生活にも密接に関わってきた歴史があります。還住太鼓のルーツは、隣の八丈島で発展した「八丈太鼓」にあります。八丈太鼓は、日々の遊びの中で発展したことや、昔から女性が叩くことが多かったことなど、還住太鼓と共通する特徴を持っています。一つの太鼓を2人で叩くスタイルも同様です。太鼓の片面で1人が「下打ち」という決まったリズムを刻み、そのリズムに合わせて、もう1人は反対の面で「上打ち」という即興の演奏をします。太鼓を前に2人が会話するような太鼓のスタイルだからこそ、子供たちから大人たちまで太鼓を通して、協調性やコミュニケーションを育んできました。

2023年2月26日(日)、青ヶ島小中学校多目的ホールにて、「青ヶ島郷土芸能交流会」が行われました。このイベントは、青ヶ島に伝わる太鼓文化を継承するため、取組団体「青ヶ島還住太鼓」の主催で開催。交流会には、島唄や島踊りなど、青ヶ島の郷土芸能を後世に伝えるため発足された「青ヶ島郷土芸能保存会」や「八丈太鼓よされ会」の代表・奥山善男さんをはじめとした、八丈島の皆さんを招待し、郷土芸能を通じて文化交流をあたためる機会をなりました。

2023_aogashima4_img_01.jpg(青ヶ島還住太鼓の演奏)

2023_aogashima4_img_02.jpg(八丈よされ会の演奏)

2023_aogashima4_img_03.jpg(青ヶ島郷土芸能保存会の島唄・島踊り)

イベントは、およそ1時間半にわたって行われ、島民の半数となる70名以上の方が集まり、大盛況。子供から大人まで「青ヶ島還住太鼓」や「八丈太鼓よされ会」による迫力ある演奏が披露され、場内は大きな熱気と拍手に包まれました。「青ヶ島郷土芸能保存会」からは東京都無文化財にもなっている、島唄・島踊りを披露し、「ちょいしっちょ!」といった声がけがあちらこちらで聞かれ、来場者が一体となって交流する場となりました。

2023_aogashima4_img_04.jpg(最後の島踊りの様子)

開催後のアンケート調査では、参加した全員の方が、青ヶ島郷土芸能交流会を通じて、青ヶ島の郷土芸能をもっと知りたくなったと回答がありました。この結果は、「青ヶ島還住太鼓」や「青ヶ島郷土芸能保存会」、そして「八丈太鼓よされ会」などの出演者やスタッフたちの努力や熱意が、来場者たちに伝わったことを示しています。

「青ヶ島還住太鼓」は、このような郷土芸能交流会を通じて、地元の郷土芸能文化を育んでいくことを決意しています。今回の交流会は、アフターコロナとして開催された貴重な機会であり、地域の絆をより深める場となりました。

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