アクションアイデアのブラッシュアップ 神津島
神津島のアクションアイデアについて、ゲストアドバイザーのシーソンクラム・カオ氏(株式会社MATCHAインバウンド戦略部統括マネージャー)や林厚見氏(株式会社スピーク)からブラッシュアップのアドバイスを伺いました。
1人目のゲストアドバイザーとしてインバウンド事業を手がけるカオ氏より、外国人の実際の受け入れについて、具体的かつ実践的なアドバイスがありました。言語の問題もありますが、それよりもまず、「どんな体験ができるかどうかが問題」とカオ氏。島の人が外国人を受け入れることに対してどのように理解してくれるか。島民とのふれあいやつながりをどこまで実現できるか。「受け入れる側の心構えや親切さが大事。言葉がわからなくても、親切にできるかどうか。それを島全体に浸透させていかないと」とアドバイスがありました。
「そのためにはまず、日本在住の外国の人たちや日常的に日本の食に触れている方、日本の文化や言葉に理解があり、日本をある程度知っている人たちの方が来島しやすく、また受け入れやすいのでは?」というカオ氏から具体的な提案も。
島民と外国人観光客とのコミュニケーションについては、「今はスマホや翻訳機などを使うことでストレスなくできる場合も多く、最終的には困った時に英語が話せる人に連絡できるような仕組みがあれば、対応できるのでは」とカオ氏。実際、神津島の窓口として、NPOや観光協会で対応しているとのことなので、もっと周知と体制を整えることで、受け入れ態勢はより整っていくはずです。
また、島に残る神話などを英語等へ翻訳することは非常に難しいため、「わかりやすいストーリーとして描くことが大事。正確性よりも、面白いかどうか。外国人かどうかではなく、わかりやすく伝えることを考えてみてほしい」とアドバイスがありました。
続いて、2人目のアドバイザー、林氏からは、「「Let it be」というコンセプトは、東京の島全体としての共通コンセプトに近いように思うので、神津島として、差別化していかないとわかりづらいのではないか」という意見がありました。
また、「デジタルデトックス」という体験も、「他の体験と組み合わせればもっと面白くなるのでは」と林氏。単なる1日のイベントにするよりも、学びや体験にすることにより関係性は深まっていくので、神津島という地域と多様に関わる島外の人々が増え、それが持続可能な関係になる方がいいとアドバイス。「漁村体験ツアー」も、見たことのない世界を味わうための1週間のツアーにした方が参加してみたいと思うのでは?」との意見も出ました。
神津島チームからは、「建設業や観光業だけではなく、漁師も盛り上がれば島が面白くなると思っている。だからこそキンメに付加価値を付けたり、漁師が観光業に携わっていけたら他の島にはない魅力になるはず」という話を受けて林氏は、「漁師と魚の話をするよりも、漁師の生き様を知りたいし、本能的な生き方を知りたいし、失われた感覚を取り戻したい。例えば、2週間の漁師体験や、うまいキンメを食べる体験をコンテンツ化できれば。人は最大のキラーコンテンツ」と話しました。