アクションアイデアのブラッシュアップ 大島

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大島のアクションアイデアについて、ゲストアドバイザーの林厚見氏(株式会社スピーク)や佐藤竜馬氏(NPO法人FLAG)からブラッシュアップのアドバイスを伺いました。

まず、本日のプレゼンについてチームメンバーから感想を発表する時間が設けられました。アイデアの収集がつかなかった点など、いくつかの反省点が挙がった一方、プレゼンテーションの反応が良かった部分を考えると、テレワーク、他拠点居住者などをターゲットにして、単なる観光地というより、第2第3の家という部分をアピールすべきことが明確になったという声もあがりました。

そこから参加者に対して林氏から「観光の来島を目的のメインに据えることに疑問はあるか?」、「なぜサンセットパームラインを選んだか?」という2つの質問がありました。

1つ目の質問に対し、参加者からは「一過性の島ではないというアピールが必要」という意見や、「継続していくことで、大島という地域と多様に関わる島外の人々の増加が予想されるが、例えば1,000人が大島に来ても、受け入れる器(食事、宿)がないのが島の現状」という意見も出ました。

また、2つ目のサンセットパームラインを選んだ理由に対しては、「サンセットパームラインに限らず大島は観光スポットが点在しているが、車で周らないといけない」、「サンセットパームラインは元町港が起点」といったアクセス面での理由や、「地元の人も散歩する、富士山がきれいに見える」「観光客もサイクリングで使っている」などエリアが集積していると色々な個性が集まって、人も集まりやすいと言うことが議論されました。

これらの議論を踏まえて、林氏からは「ポテンシャルがあるところに点在させるというのはとても良いが、リピートすることの整合性が取れていない。消費するためのリゾート地でなく、愛着を持ってリピートする観点が大事である。また、今ある魅力をプレゼンテーションしていくというより、作っていくことが本筋なので、サンセットパームラインにまつわるストーリーを考えていくと良い」というアドバイスがありました。

また、これまでの地域づくりに対する経験者として、「旅行、居住、仕事を作る、食品加工品など、競争力を持ちうるネタがあるなら磨き込み、その過程で共創関係を構築し、プロセスの段階から大島と多様に関わっていく島外の人々をどれだけ巻き込めるかが大事」というプロセス段階からペルソナを巻き込むことの重要性を教えていただきました。

最後にハード整備について、「『事務局の部屋』を整備することが目的になると何も変わらないが、プロジェクトを引っ張っていく圧倒的な熱量を持つ人が見つからない場合は例外で、ハードを作ることで良いこともある。コミュニティは場所があると強い。ただし、その場合でも『こういうことがやりたい、やるべき』という根元部分がメンバー内で共有されていないといけない。『大島を良くしましょう』は誰でも言えるので、プロジェクトを空間(ハード)だけで描くのは危険である」と、目的やゴールのイメージを参加者全員が共有することの大切さをアドバイスいただきました。

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続いて、2人目のアドバイザー佐藤氏からも、まずはハード整備について、「色々な人を巻き込んで古民家をリノベーションするのはどうか」というアドバイスがありました。資金はペンキ代を稼ぐための草むしりイベント、ペンキ代を稼げたらペンキ塗りイベントなど、イベント開催という形で参加料を取ることもできる、と提案。

しかし参加者からは、「サンセットパームラインは古民家がなく、新たに建築もできない。ただ、何十年も放置されている土地があるので、うまく交渉できれば、そういう土地を開墾することで地元の人を巻き込んでいける」と意見が出ました。また、かつての林業の名残で、使える杉が島中にあることが共有されました。

佐藤氏は、「まちづくりの基本は『定住』、『産業誘致』。大島のプランはこの二つを実現する事業になりうる」として評価しましたが、「ハードを作ったところでストーリーがないと人が集まらない」という注意事項も。ベンチャーキャピタルや事業主との関係性など、海外での「スモールビジネス」を例に挙げながら、大島で稼いだお金を大島で還元できる仕組みをみんなで描きながら進めていくと、良いストーリーができると締めくくりました。

2人のアドバイザーから繰り返し聞いた「ストーリーの重要性」について、参加者は改めて認識を深めました。

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