
産品の取組あおちゅう
あおちゅうとは
あおちゅう青ヶ島
伊豆諸島最南端の火山島・青ヶ島では、かつて島外へ出稼ぎに出ている愛する男たちのために、女性たちが醸した自家製焼酎があり、「あおちゅう」と呼ばれていました。その造り方と味は代々引き継がれ、現代では、各家庭に伝わる味を受け継いだ杜氏たちによって、それぞれの焼酎が製造されています。その多くは島に自生する植物と野生の菌を使って造られ、大量生産はできませんが、焼酎が自家醸造された時代の製法を今に残す、独特の風味が魅力です。

ブランドコンセプト・
ストーリー
あおちゅうをブランディングしていくにあたり、今後のブランディングの方向性を示す「ブランドコンセプト」と、あおちゅうの歴史や価値を表現する「ブランドストーリー」を策定しました。今後策定したブランドストーリーやコンセプトに基づき様々な施策を行っていく予定です。
ブランドストーリー
島の恵みが溶け合い生まれる、
命の焼酎
外界から隔絶された火山の島に、
古の蒸留酒の面影を宿す焼酎があった。
島に棲む野生の菌で醸す。
野生の菌は森のタニワタリに抱かれて眠っている。
麹菌は麦を醸し、酵母は芋を醸す。
島人の命を支えた恵みを、菌と分け合う。
島の恵みが溶け合って、
命がブツブツと湧いてくる。
青い花の蜜のような、島の夜の楽しみ。

あおちゅうができるまで
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青ヶ島の焼酎造りは杜氏ごとにそれぞれの家庭に伝わる造り方を受け継いでいるなど、銘柄ごとに少しずつ製法が異なりますが、昔ながらの伝統的なあおちゅう造りは、1年をかけて行われます。
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秋に畑で麦麹用の大麦の栽培を始め、翌年の夏に収穫。収穫した大麦は干した後、丁寧に鍋で炒る作業を行います。島内に自生しているオオタニワタリを炒った麦の上に被せ、各杜氏の麹蔵に住みついた自然の麹を付けていきます。
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秋には原料用の芋の収穫を行い、収穫後の畑には、また来年用の大麦が撒かれます。収穫された芋と麹、水は昔ながらの「どんぶり仕込み」という製法で、全て一緒に発酵させていきます。こうして手間暇をかけてあおちゅうは造られていきます。
本取組の体制

特産品事業者

現在、青ヶ島には10名の杜氏がいて、それぞれに焼酎を造っています。私も母が造っていた焼酎造りを継承し、自分なりの改良を加えながら製造しています。焼酎造りは大量の麦や芋を扱い、夜も2時間おきに起きて麹を管理したりと、体力的にキツイ仕事です。やめたいと思ったことも度々ですが、やり始めたからには良いものを造りたいという思いで造り続けています。
ブランド化支援事業を通じて、焼酎造りが生業として成り立つものにできるよう、価値を高めていろんな方に楽しんでもらえるようにしたいです。そして将来、あおちゅうに興味を持って焼酎造りを継いでくれる若い人が増えてくれることを願っています。
ブランディングアドバイザー

青ヶ島の風土の結晶、「あおちゅう」の不思議の虜です。日本における焼酎の起源の面影を残す、ユニークな文化の価値が伝わるように頑張ります。
プロフィール
1983年、東京都出身。山梨県在住。発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、東京農業大学の醸造学科研究生として発酵を学びつつ、全国各地の醸造家たちと商品開発や絵本・アニメの制作やワークショップを行っている。書籍『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。2015年より「こうじづくりワークショップ」を全国で展開中。また、自由大学や桜美林大学等の一般向け講座で、発酵学の講師を務める。著書に『おうちでかんたん こうじづくり』『図書館版 発酵菌ですぐできる おいしい自由研究』など。
販売支援アドバイザー

青ヶ島を訪問した際に、島民のとある方の1日の「生き方」をお聴きして、この島の支え合い方に感銘を受けました。島民の生活の一部であり、魂であり、大好きなものであるこの「宝」を大切に味わっていただける方と出会えるきっかけがこのプロジェクトで生まれればと思います。
プロフィール
1983年兵庫県南あわじ市(淡路島)生まれ。高校卒業後、淡路人形浄瑠璃の淡路人形座にて、5年間人形遣いとして働いた後、島の観光施設で1年間勤務。島を出て、大阪・東京で営業職に携わり、2012年5月、島に戻り某観光施設運営会社に入所。EC事業部を経て2014年6月より飲食事業部の取締役に就任。会社の業績を新規事業なしで4年間に181%伸ばした実績から、全国からの視察も絶えない観光施設になっている。
2017年7月同社を退社。ブランディング、集客をしたい全国の自治体、施設を支援するため、株式会社シカケを設立。“道の駅再生人”として「行きたくなる」お買い場づくりの手法を開示するセミナーやコンサルティングをおこなっている。
取組レポート
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青ヶ島
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青ヶ島
産品の取組あおちゅうツーリズム開催レポート(後編)
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青ヶ島
産品の取組あおちゅうツーリズム開催レポート(前編)