東京宝島
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その昔、流刑地だった八丈島。島にはさまざまな罪人が流されましたが、そのうちの一人が丹宗庄右衛門という貿易商。この人が故郷の鹿児島から焼酎製造の道具を取り寄せ、その製造方法を八丈島の島民に伝授して島焼酎の文化が始まったのだそうです。「だから八丈島には、伊豆諸島の中でも一番多くの蔵があります。でも残念ながら、半世紀の歴史を経て2011年に蔵を閉じたのが磯崎酒造。うちは、その代表銘柄『黄八丈』を引き継ぎ、古酒として販売しています」と元磯崎酒造の杜氏で現坂下酒造の杜氏・沖山範夫さん。じつは、この焼酎、マニアの間では幻の焼酎として注目を集めてきた逸品。20年間、原酒を大切に守り、満を持して他蔵が販売することになったのには訳があります。「先代同士が親友で、八丈島の焼酎を支えてきた仲。廃業するにあたり、共に志した想いを受けて引き継ぐことになったんです」。なんたるいい話……! 一時は在庫が完全になくなり、幻と言われた「黄八丈」が復活して、ファンは喜んだでしょうね。「黄八丈」の特徴は黄麹を使うこと。「黒麹に比べて扱いづらい麹ですが、なめらかで繊細な味わいに仕上がります」。これからは坂下酒造の代表銘柄「黒潮」や「ジョナリー」に加え、磯崎酒造から受け継いだ酒造りもおこなっていく予定だそうです。歴史を大切にしつつ新たな酒造りを始める島焼酎。また呑みたい!伊豆諸島での焼酎造り発祥の地。マニアの間で幻の焼酎と呼ばれる、希少な古酒となった焼酎は、先代たちの友情に支えられた逸品!知ればもっとおいしい八丈島の人々が愛する島酒たち八丈島は伊豆諸島のお酒造りの起点となった島だけに、島々の中で一番酒造所の数も多い。坂下酒造のほか、3つの酒造所の代表銘柄も見逃せません。楽しみたい人におすすめ麦の香ばしさを贅沢にすっきりした味わいで島酒初心者にも人気まだある麦と芋の絶妙なバランスが八丈島っ子の舌をうならせる旅先晩酌一七幻の!?黄八丈八丈島の歴史は島酒で味わう 21問 坂下酒造 ☎04996-2-0206 kuroshio@gm.tp1.jp八丈島の島酒のルーツは九州に!?焼酎を伝えてくれてありがとうー!「黄八丈」を造っていた磯崎酒造から坂下酒造の杜氏へ。ジョギングで鍛えた体力で焼酎を造る。大正14年の創業当初から造り続けている「島の華」は、発酵温度を丁寧に管理し、こだわりの銅製常圧蒸留器を使うことで、麦の香りとまろやかな味わいを実現。700㎖ 1028円。問樫立酒造 ☎04996-7-0301高級魚の金目鯛もたくさん水揚げされます! コワモテ漁師さんが快くカゴを見せてくれました。沖山範夫 さん坂下酒造黄八丈 700㎖。3280円。kuroshio.atukan.com江戸時代、流刑で流されてきた丹宗庄右衛門が、島に焼酎造りを伝えたことをたたえる碑。酒造りに使われた大■と、小さな■が並べられています。島民の間でもポピュラーな「八重椿」は、麦の焼酎に芋の香りをつけている、島内外でも珍しいブレンド焼酎。麦と芋のいいところを楽しめる仕上がりです。720㎖ 1091円。問八丈島酒造 ☎04996-2-2855八丈島の酒造の中でも最も新しい酒造が造る「情け嶋」は、すっきりと飲み飽きない味わいが特徴。水割りで飲むのがおすすめだそう。700㎖ 1030円。問八丈興発 ☎04996-2-05551.黒潮 720㎖ 1070円。2.ジョナリー 700m㎖ 1430円。問 坂下酒造☎04996-2-0206

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