「父島みらい会議」では、年間にわたって開催した会議を通じて、島内外に「持続可能な観光」の観点からこれからの父島の在り方を動画で発信していきたいと考えていました。
父島に来てくれる人たちに、来島者としてだけの関係ではなく、父島の価値観やバックグラウンドを理解し、「家族」になって関係を継続していきたい―そんな想いから、今年度の動画のテーマは「多様性」と「平和」の2つとしました。父島の歴史は多様性の歴史でもあり、アメリカ、ヨーロッパ、ポリネシアなどにツールをもつ人も多く、多様な文化や移住者を受け入れながら、父島らしさを形成してきました。また、父島は戦争を経験している島でもあり、多くの戦跡があります。父島があらためて戦争の悲惨さと平和の大切さを感じてもらえる場所であることを発信したいと考えたのです。

「多様性」の動画では、父島の文化の多様性こそが魅力だというメッセージを発信しています。海の生物、陸の植生などの美しさはもちろんですが、島の人々が多様な人々をあたたかく受け入れているという想いを込めました。また、島で育った人も移住者も、様々なルーツの人がつながりあって暮らしていることについても、語っていただいています。

「平和」の動画では父島の中にある戦跡を取り上げました。第二次世界大戦の歴史を風化させることなく語り継ぎ、自然豊かで美しい父島を守っていきたいというメッセージが込められています。

これらの動画は「父島みらい会議」のメンバーだけでなく、島民の皆さんにも理解してもらいたいと考え、島民に呼び掛けるメッセージ動画も作成しました。父島を、地域の商品・サービスを地域の中で消費・循環させ、島内での需要や消費を高める「生活主義」に基づいた島にしていきたいという考えや、父島の現状、今年度作成した2本の動画を発信した背景などを伝えています。
これからは「父島みらい会議」の新しい仲間になってくれる方を募集し、一緒に父島の未来を考えていくことが目標です。